【行事レポート】生産システム部門研究発表講演会2022

No.22-6 生産システム部門研究発表講演会2022

2022年3月7日(月)から8日(火)の2日間にかけて,日本機械学会生産システム部門研究発表講演会2022が開催されました.昨年度と同じく,IIP2022情報・知能・精密機器部門(IIP部門)講演会との同時開催(コロケーション)で互いの部門の講演を自由に聴講できるものとしました.また,コロナ禍での開催のため,すべてZoomを使ったオンラインでの実施となりました.本講演会では,オーガナイズドセッションによる一般講演の他,IIP部門との合同企画による特別講演会や若手招待講演セッションが行われました.一般講演は,生産システム部門42件,IIP部門92件の計134件,参加登録(有料)は,生産システム部門105名,IIP部門149名の計254名の方に申し込みいただきました.分野連携企画として実施された本講演会では,オーガナイズドセッションとして,「スマートマニュファクチャリング/機械・インフラの保守・保全・信頼性強化(IoT活用,AI活用,CPPSなど)」を含め,「生産・物流のモデリング・シミュレーションと見える化」,「生産管理・スケジューリングおよびサプライチェーン」,「設計・生産プロセスの情報化(CAD,CAM,CNCなど)」,「生産システムにおける設計・運用・評価および国際展開」,「アディティブ・マニュファクチャリングの生産システム」,「企業の開発事例」の7つのセッションが設定されました.特別講演では,「Well-being」のテーマを掲げ,生産システム部門とIIP部門でそれぞれ1名の講師をお招きして,以下の2件の講演を行いました.

講演1:「生産工学と情報技術のバイオ医療分野への展開」東京大学 教授 光石衛 様

講演2:「人と社会のWell-beingに向けたロボティクスの研究開」パナソニック株式会社 安藤 健 様

世界が掲げている持続可能な開発目標(SDGs)では,「すべての人に健康と福祉を」という項目が設けられ,Well-beingについて考える必要があり,それらへの向き合い方や将来のあり方について,それぞれ異なる切り口から論じられ,幅広く示唆に富む講演でした.

若手招待講演セッションでは,「技能のデジタル化の現状」と「農業とデジタルツイン」の2つのテーマを設定して,それぞれのテーマに対して,学術界と産業界の若手研究者・技術者による講演を行いました.「技能のデジタル化の現状」では,神戸大学の西田勇様,イマクリエイト株式会社の山本彰洋様,広島大学の栗⽥雄⼀様,神戸大学の國領⼤介様による講演を行いました.「農業とデジタルツイン」では,神戸大学の肥⽥博隆様,株式会社クロスコンパスの吉⽥仁様,立命館大学の倉鋪圭太様,国⽴研究開発法⼈農業・⾷品産業技術総合研究機構の吉⽥武史様による講演を行いました.デジタルトランスフォーメーションが注目されている中,各講師の専門的な視点から論じられ,質疑応答も活発に行われた講演でした.

表彰式は初日の午後,生産システム部門とIIP部門合同で行われました.こちらもオンラインでの開催となり,部門功績賞に東京大学の梅田靖様,学術業績賞に株式会社豊田中央研究所の増谷隆志様,優秀講演論文表彰に株式会社デンソーの厚味昌和様,大阪大学の峯田龍志様,村田機械株式会社の美馬愛理子様,近畿大学の池田峻史様が表彰されました.

今年度も昨年度と同様にコロナ禍でのオンラインでの開催となり,参加者の交流の機会が制限されることから,今年度はバーチャル空間でアバターを操作しながら,ビデオ通話やチャットができるGather Townツールを使用して,オーガナイズドセッション後に講演者と細かい議論ができたり,休憩中にコミュニケーションができたりしました.Zoomのルーム以外でも交流ができる場があることで,対面で実施していたときに近いコミュニケーションをとることができました.しかしながら,やはりオンライン開催による制限は多く,より一層の工夫が必要となります.

最後になりましたが,講演者ならびに参加者,セッションオーガナイザ,実行委員,事務局,関係各位に感謝を申し上げます.次回の講演会も,引き続きご協力をお願い申し上げます.

西田勇(神戸大学)