【行事レポート】International Symposium on Scheduling 2023(ISS2023)

International Symposium on Scheduling 2023(ISS2023)

スケジューリング学会主催,日本機械学会生産システム部門共催の国際シンポジウム,International Symposium on Scheduling 2023(ISS2023) が 2023 年 6 月23日(金)~25日(日)に茨城県つくば市のつくば国際会議場にて開催された.コロナ禍の影響により,2019年7月に島根県松江市で開催されたISS2019以来,4年ぶりに対面で開催された.本シンポジウムは,スケジューリング理論,実践的スケジューリング技術,最適化手法,評価手法,CAD/CAM,TOC,APS,SCM,ERP,CIM,JIT,計画,コンカレントエンジニアリング,輸送,ネットワーク通信,ヘルスケア,サービス工学,企業管理,製造シミュレーションなどスケジューリングとその関連分野の様々なトピックについて,研究者と実務者が革新的なアイデアを共有する機会を提供することを目的とする.2023年6月23日(金)の13:30からOpening Sessionが行われ,3日間にわたって,3件のKeynote Speechと27 件の研究発表が行われた.

2023年6月23日(金)の午後14:40より,Keynote Speech 1 が行われた.Kansai Universityの Keisuke Fukui 先生からタイトル「Microsimulation for Cancer Control in Japan」の講演があった.がん対策の分野で最近大きな注目を集めているがんマイクロシミュレーション (MS) モデルについて紹介された.2023年6月24日(土)の午前11:15より,Keynote Speech 2 が行われ,University of Alabama in HuntsvilleのJatinder N D Gupta先生からタイトル「Rigor and Relevance in Scheduling Research」の講演があった.スケジュールにおける厳密さと妥当性のバランスに着目した学術的なスケジューリング研究と実践的な取り組みとの間のギャップを埋める可能な手段について説明された.そして,午後15:00より,Keynote Speech 3 が行われ,Gachon UniversityのYoung-Long Kim先生よりタイトル「Mapping the pulse of the city: Using big data to explore the temporal and spatial dynamics of human mobility」の講演が行われた.日常生活における人口移動の変化を分析するには、短期間の一時的な移動に焦点を当てることが重要であり,携帯電話の活動に基づくモビリティビッグデータを用いた分析の有用性について説明された.

パラレル研究発表では,Scheduling in Practice,Healthcare Scheduling,Network Modeling,Vehicle Routing and Transportation,Mathematical Modeling and Algorithm,Sustainable City,Production Scheduling,Machine Learning,Multi-Objective Scheduling,Inventory Control and Management等のセッションが設けられ,活発な議論が行われた.

 

松野思迪(まつの ことみち)早稲田大学