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機械工学年鑑2023

11. 宇宙工学

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11.1 宇宙輸送

2022年度はH-IIAロケット1機,イプシロンロケット1機,H3ロケット試験機1号機の合計3機のロケットが打ち上げられたが,2機が打ち上げ失敗となり,我が国の宇宙輸送システム開発にとって,非常に残念な1年となってしまった.

H-IIAロケットに関しては,2023年1月26日に情報収集衛星レーダ7号機を搭載した46号機が種子島宇宙センターから打上げられ,連続40機の成功となり着実に実績を伸ばした.

一方,小型衛星の機動的打上げ手段の獲得・提供等を目指す固体燃料ロケットであるイプシロンロケットは内之浦宇宙空間観測所から2022年10月12日に革新的衛星技術実証3号機を搭載した6号機が打ち上げられた.しかし,第2段燃焼終了後に機体姿勢の異常が判明し,軌道への衛星投入が不可能と判断されたため,指令破壊処置がとられ,残念ながら2003年以来の政府の基幹ロケットの打上失敗となった.また,自立性の確保と国際競争力のあるロケット及び打上げサービスの提供を目的として開発が進められたH3ロケットも,2023年3月7日に先進光学衛星「だいち3号」(ALOS-3)を搭載した試験機1号機が打ち上げられたが,第2段エンジンに着火せず指令破壊処置がとられ,こちらも打ち上げ失敗となってしまった.現在,いずれも原因究明作業が続けられており,着実かつ早期の究明と打上再開が望まれている.

宇宙輸送システムの将来に向けた研究開発としては,ロケット第1段の再使用化を目指した研究が行われており.その実現に向けて,誘導制御,推進薬マネジメント,エンジン再整備技術に関する知見を蓄積すべく,1段再使用飛行実験(CALLISTO)の開発が,CNES(仏),DLR(独)との国際協力により進められている.また,そのフロントローディング研究活動として,JAXA独自の小型実験機(RV-X)による飛行試験を目指した研究も実施さている.また,我が国の宇宙輸送システムの継続的な自立性を確保した上で,2040 年代前半までに抜本的な低コスト化等を含めた革新的技術により将来宇宙輸送システムを実現するとともに,民間事業者が主体的に事業を展開することで,自立した宇宙開発利用を飛躍的に拡大させ宇宙産業を我が国の経済社会を支える主要産業とすることを目的として,文部科学省において革新的な将来宇宙輸送システム実現に向けたロードマップ(基幹ロケット発展型と民間主導による高頻度往還飛行型宇宙輸送システム)が昨年度に設定され,その実現に向けた研究開発として,宇宙航空研究開発機構(JAXA)において革新的将来宇宙輸送プログラムをすすめており,RV-XとCALLISTOで得られる成果を同プログラムの研究・開発へ反映する計画である.

〔紙田 徹 国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構〕

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11.2 科学・実用衛星

2022年は,日本の中・大型実用衛星の打上げはなかった.また,100から200kg級の超小型の実用衛星としては,小型SAR衛星実証衛星2号機「StriX-β」(1),小型SAR衛星商用実証機「Strix-1」(2)が打ち上げられた.小型SAR衛星「QPS-SAR3号機(アルテマ-I)」および「QPS-SAR4号機(アルテマ-II)」についてはイプシロンロケット6号機の打ち上げ失敗により,残念ながら軌道投入は無し得なかった(3)

「StriX-β」は,株式会社Synspectiveの2機目の実証衛星である.2022年3月1日,ニュージーランドのマヒア半島にあるRocket Lab社の発射場Launch Complex 1からElectronロケットにより打ち上げられた.分解能は観測幅30km時(ストリップマップ時)に3m,観測幅10km時(スライディングスポットライト時)に1mとなっている.「StriX-1」は同じくSynspective社の1機目の商用実証機(商用機としての実証を目的としたプロトタイプ機)である.2022年9月16日,同じくRocket Lab社のLaunch Complex 1からElectronロケットにより打ち上げられた.観測分解能と観測幅はStrix-βと同等であるが,バッテリーの改良とダウンリンク速度の高速化によって,データ量を増やすことが可能となっている.今後,合計6機で世界のどの地域でも24時間以内,さらには合計30機で2時間以内の観測ができるコンステレーションの構築を目指している(4)

「QPS-SAR3号機(アマテル-I)」および「QPS-SAR4号機(アマテル-II)」は,株式会社QPS研究所の小型SAR衛星である.すでに運用中の2号機と比べ,大電力化とアンテナの改良によって,より精細な観測データを多く取得できる.加えて,JAXAとアルウェットテクノロジー株式会社が共同開発した軌道上画像化装置を搭載しており,即応性の高い観測ニーズへの対応が期待されていた(5).2022年10月12日,内之浦宇宙空間観測所からイプシロンロケット6号機により打ち上げられたが,打上げは失敗した.QPS研究所は「次の5,6号機に向けても歩みを止めず,取り組んでまいります.(中略)皆様の生活にお役立ていただけるデータ提供サービスの実現を目指して今後も尽力して参ります.」とのコメントを出しており(6), 今後の取り組みに大いに期待したい.イプシロンロケット6号機には,この他に,JAXAの革新的衛星技術実証3号機が搭載されており,7件のコンポーネント・サブシステムの実証を行う100kg級の小型実証衛星3号機(RAISE-3)およびキューブサット5機(X線突発天体監視速報衛星 KOYOH,民生用デバイス利用実証衛星 MITSUBA,海洋観測データ収集IoT技術実証衛星 KOSEN-2,一体成型技術実証衛星 WASEDA-SAT-ZERO,CubeSat搭載用超小型マルチスペクトルカメラ実証衛星 FSI-SAT)が搭載されていた(7).軌道上実証を予定していた12件のうち再実証を希望した11件については革新的衛星技術実証4号機および5号機で実証機会が得られることとなった(8)

 

国外の実用衛星としては,2021年に引き続き,超小型衛星のコンステレーション構築に注目したい.SpaceX社,OneWeb社をはじめ,各企業から通信等の各種サービス提供が始まっている.

SpaceX社の通信衛星Starlinkは2021年中に1722機が打ち上げられた.米国連邦通信委員会 (FCC:Federal Communications Commission) は SpaceX社に対して12,000 個のStarlink衛星の打上げ許可を与えており(9),2022年12月末時点で累計3600機以上を打上げている. 2020年11月に米国でサービスが開始されたが,2022年2月より始まったウクライナ紛争において,ウクライナに多数のStarlink端末が提供され,軍事作戦等に活用されたことは,同サービスの有用性を全世界に示すこととなった.全てが無償提供ということではなく米国合衆国国際開発庁が購入し,提供したものも相当数含まれているようである(10).日本においては2022年10月に個人向けサービスが開始された(11).また,英国OneWeb 社の通信衛星は2022年中に110機が打ち上げられた.2022年12月末時点で累計500機以上を打上げており,第一世代の衛星群の構築を目指している.2023年内のサービス開始が予定されている(12)

この他,SpaceX社の全額出資子会社である米国Swarm Technologies社の商用通信用SpaceBEEおよびSpaceBEE NZシリーズが51機,中国Chang Guang Satellite Technology社の商用リモートセンシング用Jilin-1シリーズが43機,中国Geespace社の民間高精度測位用GeeSATシリーズが9機,などが打ち上げられた.

さらに,中・大型衛星と考えられる中国のYaogan(遥感)シリーズの打上げが多数行われたことを特筆しておきたい.2022年は27機が打ち上げられた.CASC(China Aerospace Science and Technology Corporation)からはリモートセンシング衛星であると発表されているが,軍事用との見方もある(13)

中・大型科学観測衛星について,2022年は国内での打上げは無かった.国外では中国の太陽観測衛星ASO-S(夸父一号)が軌道に投入された.ASO-Sは2022年10月9日,酒泉衛星発射センターから長征2Dロケットで打ち上げられ,太陽磁場と太陽フレアおよびコロナ質量放出の因果関係を調べるとのことである(14).2021年10月に打ち上げられた中国初の太陽観測衛星 Xiha(羲和号)に続く,同国2機目の太陽観測衛星となる.

〔柳瀬 恵一 宇宙航空研究開発機構〕

参考文献

(1) StriX-β LAUNCH MISSION, 株式会社Synspective, https://synspective.com/jp/mission2/

(参照日2023年4月18日)

(2) StriX-1 LAUNCH MISSION, 株式会社Synspective, https://synspective.com/jp/mission-strix1/(参照日2023年4月18日)

(3) 小型SAR衛星「StriX-β」の画像取得に成功, 株式会社Synspectiveプレスリリース, 2022年7月5日,
https://synspective.com/jp/press-release/2022/strix-beta-images/(参照日2023年4月18日)

(4) イプシロンロケット6号機の打上げについて(第一報), 宇宙航空研究開発機構プレスリリース, 2022年10月12日, https://www.jaxa.jp/press/2022/10/20221012-0_j.html(参照日2023年4月18日)

(5) 小型SAR衛星3号機および4号機の打上げ日程についてお知らせ, 株式会社QPS研究所ニュースリリース, 2022年8月8日, https://i-qps.net/news/795(参照日2023年4月18日)

(6) 小型SAR衛星3号機および4号機「アマテル-I, -II」 衛星打上げについて, 株式会社QPS研究所ニュースリリース, 2022年10月12日, https://i-qps.net/news/850(参照日2023年4月18日)

(7) 革新的衛星技術実証3号機, JAXA研究開発部門, https://www.kenkai.jaxa.jp/kakushin/kakushin03.html(参照日2023年4月18日)

(8) 「革新的衛星技術実証4号機のテーマ公募」追加選定結果について, JAXAプレスリリース, 2023年2月8日, https://www.jaxa.jp/press/2023/02/20230208-1_j.html(参照日2023年4月18日)

(9) Starlink satellites: Everything you need to know about the controversial internet megaconstellation, SPACE.com, 2022年11月23日, https://www.space.com/spacex-starlink-satellites.html(参照日2023年4月21日)

(10) USAID SAFEGUARDS INTERNET ACCESS IN UKRAINE THROUGH PUBLIC-PRIVATE-PARTNERSHIP WITH SPACEX, Office of Press Relations, 2022年4月5日, https://web.archive.org/web/20220405203009/https://www.usaid.gov/news-information/press-releases/apr-5-2022-usaid-safeguards-internet-access-ukraine-through-public-private(参照日2023年4月21日)

(11) スペースX, 日本で衛星ネット「スターリンク」提供開始, 日本経済新聞, 2022年10月11日,
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC110HJ0R11C22A0000000/(参照日2023年4月21日)

(12) スペースX, ワンウェブの通信衛星を打ち上げ, SORAE 宇宙へのポータルサイト, 2023年1月10日, https://sorae.info/ssn/20230110-oneweb16.html(参照日2023年4月21日)

(13) 中国, 「遙感35号02組」衛星3機の打ち上げに成功 科学試験や国土調査に使用, SORAE 宇宙へのポータルサイト, 2022年7月5日, https://sorae.info/space/20200705-cz2d-yaogan35g02.html(参照日2023年4月22日)

(14) 中国, 太陽観測衛星「ASO-S」の打ち上げに成功 太陽磁場やフレアなどを観測, SORAE 宇宙へのポータルサイト, 2022年10月25日, https://sorae.info/space/20221025-aso-s.html(参照日2023年4月22日)

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11.3 宇宙探査

2022年は米国が国際的なパートナーと協働する有人月探査プログラム(アルテミス計画)が始動した1年であった.NASAは2022年11月16日にアルテミス1号機(1)をケネディ宇宙センターより打ち上げ,有人宇宙船(Orion宇宙船)による月周回軌道への投入から地球帰還までの無人飛行試験に成功した.打ち上げはNASAが新規開発したスペース・ローンチ・システム(SLS)ブロック1にて実施され,これは2段式の液体酸素・液体水素コアステージと固体ロケットブースターから構成される大型ロケットであり,27tの宇宙機を月遷移軌道へ輸送可能である.図11-3-1に示されたようにOrion宇宙船は地球周回軌道へ打ち上げられた後,上段ステージ液体酸素・液体水素エンジン(ICPS)により月への遷移軌道へ投入された.この際,JAXAのOMOTENASHI(2)や東京大学とJAXA共同のEQUULEUS(3)といった10基のキューブサットが同時に打ち上げられた.その後のOrion宇宙船は自らのエンジンで月フライバイにより月周回軌道に移行し,6日間月を周回した後に地球へ帰還した.Orionの帰還カプセルはサービスモジュールから分離して大気圏に再突入し,搭載されたパラシュートを使って12月11日地球に帰還した.

アルテミス1号機は無人飛行試験の位置付けであったが,2号機は有人形態で地球周回試験自由帰還軌道に投入され,月を周回した後に地球に帰還する飛行を行う.そして3号機から5号機では,宇宙飛行士(クルー)が搭乗しての月面着陸を計画しており,2025年以降の打ち上げを目指している.この際用いられる有人月面着陸機(HLS)は,SpaceX社が開発中の新大型ロケットStarshipにて別便で月周回軌道まで輸送される予定である.Orion宇宙船はHLSへのクルー輸送を担う.アルテミス4号機以降では月周回軌道上の月軌道プラットフォーム「ゲートウェイ」がクルー輸送や月面離着陸のためのノードとなり,将来に渡っての持続的な月面探査活動を支えることになる(4).ゲートウエイはおよそ6日間の周期で月の周りを南北に回る Near Rectilinear Halo Orbit (NRHO) と呼ばれる極端に細長い楕円軌道上に設置され,太陽光発電等を行う推進電力モジュール,通信および燃料補給モジュール,物資補給用モジュールと,複数の居住モジュールなどで構成されている.JAXAはゲートウエイにおける分担案について検討を続けており,ミニ居住棟(HALO)へのバッテリの提供,ヨーロッパ宇宙機関(ESA)およびNASAとの連携による国際居住棟(I-HAB)への環境制御・生命維持サブシステム(ECLSS)やバッテリ,カメラ,冷媒循環ポンプの提供などを担当予定である.また,地球からゲートウエイへの物資補給には,開発中の宇宙ステーション補給機HTV-Xに月飛行機能を追加したシステムを検討している(5)

以上のようにアルテミス計画の基軸は有人宇宙船と有人月着陸機であるが,月面における有人活動のための領域と時間は限られていることから,これを多くの小型ミッションで補うことが重要である.NASAは小規模の科学ミッションや資源探査・利用ミッション等の支援ミッションを低コストで可能にすることを目標とした商業月面輸送サービス(CLPS)プログラムを実施中であり,これは,NASAが民間企業に観測機器やローバーなどの月への輸送を有償で委ねつつ関連サービス事業を育成するプログラムであり,米国のアストロティック社,ドレイパー社など数社がNASAと契約締結している.今後は民間企業が主体となる月着陸探査が本格化する.民間による初の月着陸は日本のispace社によるHAKUTO-R Mission-1(M-1)ミッション(6)になる見通しであり,M-1の月着陸は4月26日を予定している.M-1ミッションはペイロードとしてJAXAとタカラトミー等が共同開発した変形型月面ロボット「SORA-Q」や日本特殊陶業が開発した固体電池,UAEの月面探査ローバーRashid等を搭載している.2022年にはこの他にも韓国の月周回機Danuri,アルテミス1号機に相乗りしたEQUULEUSなどのキューブサットなどが打ち上げられ,特にEQUULEUSは月フライバイを達成する成果を得た.月に関しては今後も各国による探査が頻度高く続く見通しである.なお,CLPSの各ミッションやインドのチャンドラヤーン3号,日本からはJAXAの小型月探査機SLIMが打ち上げ間近であるほか,ispace社がM-2以降のミッションを準備しており,また,JAXAでは月極域探査機(LUPEX)や月探査促進ミッション(LEAD)等の開発または検討が進んでいる(5)

月以遠の太陽系探査(無人探査)の進展も著しい.2020年12月に帰還した「はやぶさ2」が小惑星リュウグウから持ち帰った試料の分析が進み,塩や有機物を含む炭酸水や生命の活動に関わりが深いアミノ酸が見つかっており,リュウグウのような小天体が太陽系の内側に移動することで地球に水や有機物をもたらした可能性を見出した.「はやぶさ2」はその後も拡張運用を続けており,次の小惑星へ向けた航行を続けている(7).小惑星からのサンプルリターン分野では,今後2023年9月にNASAのOSIRIS-REx(8)が地球へ帰還する予定である.小惑星ベンヌで得た試料の分析結果により,太陽系と生命の起源に関する更なるが知見が得られるだろう.小惑星探査では,2021年に打ち上げられた木星トロヤ群小惑星フライバイ探査機NASA/LUCY(9)が航行中であるほか,2023年打ち上げ予定で金属を主体とする小惑星をフライバイ探査するNASA/Pshche(10),2024年以降の打ち上げで枯渇彗星フェイトンを目指すJAXA/DESTINY+(11)といった探査機群により,多様な小天体の素顔と太陽系形成プロセスが明かされることになるだろう.一方,火星圏についてはNASA/Mars 2020計画のPerseveranceローバー(12)が健在で火星表面での観測・分析を続けており,また,後続のNASA/ESA火星サンプルリターンミッション(2030年頃の打ち上げを目指した研究開発を実施中)で回収するサンプラーの準備を進めている(13).火星圏からの最初のサンプルリターンは2024年以降に打ち上げられるJAXAの火星衛星探査機(MMX)(14)で実現し,フォボスとダイモスの2つの衛星の1つからサンプルを持ち帰る計画となっている.この他にも2020年台の後半以降,各国による多様な火星圏探査計画が示されており,2030年代以降の有人火星探査へ向けて先進的なサイエンスと人類の活動圏拡大のため技術実証が加速しそうである.

図11-3-1 アルテミス1号機のミッションプロファイル(1)

〔船木 一幸 (国研)宇宙航空研究開発機構〕

参考文献

(1) Artemis I NASA https://www.nasa.gov/artemis-1(参照日2023年4月19日)

(2) The World’s Smallest Moon Lander OMOTENASHI JAXA https://www.isas.jaxa.jp/home/omotenashi/(参照日2023年4月19日)

(3) EQUULEUS from Japan to EML2 東京大学 https://www.space.t.u-tokyo.ac.jp/equuleus/(参照日2023年4月19日)

(4) Gateway NASA https://www.nasa.gov/gateway(参照日2023年4月19日)

(5) JAXA国際宇宙探査センター https://www.exploration.jaxa.jp/program/(参照日2023年4月19日)

(6) HAKUTO-R 民間月面探査プログラム https://ispace-inc.com/hakuto-r/(参照日2023年4月19日)

(7) JAXA Hayabusa2 Project JAXA https://www.hayabusa2.jaxa.jp/(参照日2023年4月19日)

(8) OSIRIS-REx NASA https://www.nasa.gov/osiris-rex(参照日2023年4月19日)

(9) LUCY: The First Mission to Jupiter’s Trojans  NASA https://www.nasa.gov/mission_pages/lucy/main/index(参照日2023年4月19日)

(10) Psyche Asteroid Mission NASA https://www.nasa.gov/psyche(参照日2023年4月19日)

(11) DESTINY+ JAXA https://destiny.isas.jaxa.jp/(参照日2023年4月19日)

(12) Perseverance Mars Rober NASA https://www.nasa.gov/perseverance(参照日2023年4月19日)

(13) Mars Sample Return NASA Mars https://mars.nasa.gov/msr/(参照日2023年4月19日)

(14) MMX- Martian Moon eXploration JAXA http://www.mmx.jaxa.jp/(参照日2023年4月19日)

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11.4 有人宇宙活動

国際宇宙ステーション(ISS:International Space Station)の「きぼう」日本実験棟(図4-1)は,2023年に,2009年の完成から15年目を迎える.

地上からISSへの物資補給は,現在,米国・ロシア・日本の3カ国が分担して行っており,日本の「こうのとり」(HTV:H-II Transfer Vehicle)シリーズは,2009年の技術実証機の打ち上げ以降,全9機すべてにおいて物資補給を成功させ,ミッションを完遂した.現在,輸送能力や運用性の向上,コスト低減,新たな機能や発展性を具備した新型宇宙ステーション補給機「HTV-X」を開発中である.また,HTV-XのISSへの物資補給機会を活用し,国際宇宙探査時代において重要な技術となり得る軌道上拠点への自動ドッキング技術の実証も計画している.

「きぼう」における実験環境の整備として,地上技術の進歩や軌道上実験に対するニーズの拡大等を踏まえ,ハイスペックの民生部品を活用し,「きぼう」全体の通信高速化(Gbpsオーダ)に向けたシステム改修も進めている.さらに,「きぼう」運用・利用における宇宙飛行士の時間をより複雑かつ高度で付加価値の高い業務に充てるため,例えば船外ミッションにて使用する「きぼう」エアロックの操作については,地上からの遠隔操作が可能となっている.更にカメラ撮影や打上げ・保管用バッグの取り扱いなどの汎用タスク,高頻度な実験支援タスク等についての遠隔操作化・自動化・自律化についても研究開発も進めているところである.

船内実験では,小動物飼育装置(MHU:Mouse Habitat Unit)を使用したミッションを継続実施した.これまでの実施成果として,多くの学術論文が発表されるとともに,微小重力環境での血液(血漿)中で変化する代謝物質の同定や腎機能変化と骨量減少の関係など,分子レベルでの解析データが蓄積されてきている.これらデータは,将来の有人宇宙探査に資する,他天体の重力環境の生体への影響に関する研究の礎となることが期待される.更に,ISSの利用成果最大化に向けた日米協力枠組み(JP-US OP3)のもと,有人火星探査に先立ち,火星などの低重力が生体(動物個体)に及ぼす影響を評価するため,2023年をターゲットとして,JAXA-NASAと共同で実施する低重力ミッション計画の準備を進めている.

また,月や火星の重力環境を模擬できる人工重力発生装置を使って,将来の月探査に向けて実施した月のレゴリスを模擬した粉粒体の低重力環境の下での挙動確認実験の成功に続き,有人与圧ローバの1/6G環境下を想定した水や潤滑オイルの低重力環境下での挙動に関するデータの取得に成功した.今後も,「きぼう」が宇宙探査への応用を目的とした基礎実験や技術実証等に効果的に活用されていくことが期待されている.

更に,我が国独自の環境制御・生命維持システム(ECLSS: Environmental Control and Life Support System, 水再生,空気再生等)の技術開発・ISSにおける技術実証に向けた準備等も推進している.これは,物資補給量の制約が大きい月・火星等の低軌道以遠における有人宇宙活動のために不可欠であり,国際宇宙探査における我が国からの大きな貢献となり得る技術として期待されている.特に,米国が提案する国際的な月探査計画(アルテミス計画)の一部である月周回有人拠点(Gateway)において,我が国は,将来的な水再生・空気再生機能の搭載を視野に入れた,温湿度制御,全圧・酸素分圧制御,二酸化炭素除去,有害ガス除去等の環境制御・生命維持機能を提供する計画である.

タンパク質結晶生成実験(PCG:Protein Crystal Growth)においては,年に複数回の実験機会の提供のほか,創薬研究需要に応える結晶化温度条件(4℃と20℃)を提供し,アカデミアや民間に広く利用されている.現在,タンパク質実験の一部の民間企業への事業移管を進めており,更なる利用の拡大と成果の創出が期待される.

静電浮遊炉(ELF:Electrostatic Levitation Furnace)は,年間を通じて安定運用を実施しており,近年,実験数が大幅に増加している. 制御ロジック等の改良により昨年よりさらに浮遊溶融の成功率をさらに向上させた.2022年は,公募で選定した科学実験,民間の有償利用,国際協力に基づく米国実験を実施して,密度,表面張力,粘性の測定を継続的に進めている.

船外実験では,ISSでもユニークな特徴である「きぼう」独自のエアロックを中心に,各国の宇宙機関だけでなく,国内外の様々な企業等から多くの利用要請を受けている.中規模の船外実験を簡易に実施可能な中型曝露実験アダプタ(i-SEEP:IVA-replaceable Small Exposed Experiment Platform)については利用事業者がサービス提供を進めており,民間企業等による研究開発や技術実証利用が進められている.2023年始現在,i-SEEP上でキューブサットサイズの小型実験を複数実施可能な実験支援装置(SPySE:Small Payload Support Equipment)がサービスインされ,軌道上で初となる全固体電池実証や,材料曝露実験などの軌道上実験運用を実施しており,将来的には,新たにエアロックから搬出した実験装置を,運用中のi-SEEPにロボットアームで結合することで,装置サイズを大型化した状態での実験運用を可能とする機能拡張も計画中である.

エアロックから船外に搬出し,ロボットアームにて超小型衛星を地球周回軌道に投入する衛星放出ミッションは,NASA等の海外ミッションを合わせて,衛星の放出実績が合計320機を超え,超小型衛星の軌道投入手段として定着してきている.JAXAでは本プラットフォームを国連との連携を通じた加盟国の宇宙開発技術底上げの場として毎年一定枠の放出機会を提供している.現在では民間事業者による放出サービスも開始され,また,九州工業大学が主導する海外の超小型衛星群(BIRDSシリーズ)を始めとする諸外国での宇宙開発基盤の構築,人材育成の場としても活用されており,これらの活動はSDGsへの貢献としても重要なものとなっている.

観測ミッションの場を提供する船外実験プラットフォームにおいて,高エネルギー電子・ガンマ線観測装置(CALET:CALorime- tric Electron Telescope)は,2022年に観測運用7年を超え,現在も順調に観測を継続している.全天X線監視装置(MAXI:Monitor of All-sky X-ray Image)は,良好に観測およびデータの速報等を継続しており,2023年度から観測運用14年目に入る.また,経済産業省が開発・運用を担当している「HISUI」(Hyperspectral Imager SUIte)も定常運用を続けており,2022年度にこれまでに計測・分析したデータの一般公開を開始した.同ミッションは地表の材料分析を目的としており,将来的に石油や金属・鉱物などの資源調査等への活用が期待されている.

日本人宇宙飛行士については,若田光一宇宙飛行士が「クルードラゴン」の運用5号機に搭乗し,2022年10月~2023年3月までのISS長期滞在を行った.自身5回目の宇宙飛行,滞在中に2回の船外活動(ISSに滞在した宇宙飛行士の中で最高齢での船外活動)を実施するなど活躍し任務を完遂した.

また,現在,古川聡宇宙飛行士がISS長期滞在に向けた訓練・準備を実施中である.星出彰彦宇宙飛行士,油井亀美也宇宙飛行士,大西卓哉宇宙飛行士,金井宣茂宇宙飛行士は,日本人宇宙飛行士の長期滞在ミッションを支援しつつ,それぞれ次の搭乗員任命に向け資質維持向上訓練等を行っている.特に,星出宇宙飛行士と金井宇宙飛行士は,有人宇宙探査に向けた情報収集も兼ねて,米国で行う有人与圧ローバ開発に向けた地上試験に評価者として参加し,油井宇宙飛行士,大西宇宙飛行士はISSへの打上げを予定した機材のインタフェース評価試験などの技術業務やマネジメントに従事した.

また,2021年に,ISSのみならず,国際宇宙探査での活躍が期待される,新たな日本人宇宙飛行士候補者の募集・選抜を行い,4000人を超える応募者から2023年2月に諏訪 理さん,米田 あゆさんを宇宙飛行士候補者として選抜した.今後,宇宙飛行士認定に向けて約2年間の基礎訓練を実施する予定である.

日本政府は,2022年11月に,米国に続き,国際宇宙ステーション計画への参加について,2030年までの延長を発表した.近年,世界的に多くの民間人が宇宙飛行を行うなど,民間による低軌道活動が本格化しており,JAXAでも,今後,地球低軌道が経済活動の場としても発展していくことを想定し,2030年以降の地球低軌道活動の在り方についての検討およびそれに向けた準備を推進している.また,2025年以降のISSにおける活動が,将来の地球低軌道活動や国際宇宙探査活動の更なる発展に資するものとなるよう,国際宇宙探査に必要な技術実証,民間企業等による利用の促進,国の課題解決や人材育成に繋がる利用,国際協力や民間企業等との連携などを進めている.

 図4-1 「きぼう」外観(JAXA提供)

〔宮崎 和宏 (国研)宇宙航空研究開発機構〕

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11.5 小型宇宙システム

11.5.1 小型輸送系

弾道ロケットMOMOにより2021年に2回の宇宙到達(高度100 kmおよび92 km)に成功したインターステラテクノロジズ社は,2022年は弾道打上げを行わず,軌道投入ロケットMOMOの開発に専念した.ターボポンプ(1)やガスジェネレータ(2)等の主要コンポーネントの開発を進めると共に,2022年9月には推進剤タンク試験用の構造試験棟を整備した(3).10月にはこの設備を用いてZEROの胴体構造部エンジニアリングモデルの試験を実施している.

ZEROの打ち上げ拠点となる大樹スペースポート整備事業に対して,令和4年度内閣府地方創生拠点整備交付金の交付が2022年3月に決定した(4).第一期計画(2022年度〜2024年度の3カ年計画)では地球周回軌道投入用ロケットの射場Launch Complex-1を整備し,併せてスペースプレーン離発着用の滑走路を,既存の1000 mから300 m延伸する.事業費23億2000万円の半分は企業版ふるさと納税等による寄附(残る半分が地方創生交付金)で賄う.

小型ロケットカイロスのスペースポート紀伊(和歌山県串本町)からの打ち上げを目指すスペースワンは,初号機の打ち上げ延期が続いている.コロナ禍における世界的な物流の混乱により,海外からの部品調達が困難となったのが延期の理由である(5).射場となるスペースポート紀伊は工事を完了し,2022年12月に報道陣に公開された(6)

米国ロケットラボ社は2022年11月にスウェーデンの科学衛星を軌道投入したミッションで通算32回目の打ち上げとなり(7),2022年中に10回の打上げを実施したことになる.うち9月に打上げた30機目では日本のSynspective社が開発した小型のSAR(合成開口レーダー)衛星StriX-1が軌道投入された(8)

〔永田晴紀 北海道大学〕

参考文献

(1) 「【プレスリリース】超小型人工衛星用ロケットZERO, 室蘭工業大学・荏原製作所との実機モデルでのエンジン試験が本格始動しました」, https://www.istellartech.com/news/press/7048 (参照日2023年4月3日).

(2) 「【プレスリリース】超小型人工衛星用ロケットZEROのエンジン重要部品「ガスジェネレータ」の燃焼試験に成功しました」, https://www.istellartech.com/news/press/7024 (参照日2023年4月3日).

(3) 「【プレスリリース】ロケットZEROの推進剤タンク試験用の構造試験棟が完成しました」, https://www.istellartech.com/news/press/7005 (参照日2023年4月3日).

(4) 「アジア初の商業宇宙港「北海道スペースポート」整備事業に対して, 令和4年度内閣府地方創生拠点整備交付金の交付が決定」, PR TIMES, https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000078016.html (参照日2023年4月3日).

(5) 「民間ロケットの打ち上げ再々延期へ」, 朝日新聞デジタル, https://www.asahi.com/articles/ASR106WSFR10PXLB002.html (参照日2023年4月3日).

(6) 「民間ロケット発射場「スペースポート紀伊」公開 2月にも打ち上げ」, 毎日新聞, https://mainichi.jp/articles/20221222/k00/00m/040/329000c (参照日2023年4月3日).

(7) “Rocket Lab Successfully Deploys 152nd Satellite,” https://www.rocketlabusa.com/updates/rocket-lab-successfully-deploys-152nd-satellite/ (参照日2023年4月3日).

(8) “Three Dedicated Electron Missions for Earth Imaging Company Synspective,” https://www.rocketlabusa.com/missions/upcoming-missions/synspective/ (参照日2023年4月3日).

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11.5.2 小型・超小型衛星の動向

2022年における100kg以下の衛星は444機が打ち上げられ,過去最高を更新した2021年の410機をさらに上回る結果となり,過去最高記録を2年連続で更新した.背景には,FALCON-9に加えて小型衛星打上ロケットの打上数が増大したことにある.また,2022年はロケット打上において日本イプシロン,米国ASTRA,中国ZHUQUE-2,インドSSLVにて打上失敗が発生して多くの小型衛星が軌道投入できなかったことからも,軌道投入に成功した444機に加えて,打上需要は上振れしている状況にある.

メガコンステにおいては,Starlinkが1722機(主に2種類290kg型が1668機,303kg型が54機)が打ち上げられ,Onewebはウクライナによるロシア軍侵攻によって,日欧米がロシア製ロケット使用を拒否した結果,ONEWEB衛星の打上手段であるSOYUZロケットの打上ができず,2022年は110機(2021年は284機)と打上数が減少した.

軌道投入においては,LEOが主体であるものの,特殊軌道への打上が顕著でもあった.NASAのSLS,Electronにより,月探査に関係するCubesat探査機打上数が過去最多(10機以上)であり,月GATEWAY軌道を探査するCAPSTONE(12U)ミッションが世間を賑わせた.また,Lockheed Martin社が2基の自社投資開発の12U(LINUSS)を2機GTOへ投入した.また,欧州のVEGAが中軌道(高度5800km)へ6機のCubesatを打上(1U3機,3U3機)ている.

民間ビジネスの小型衛星の利用も,従来の試験機からコンステレーションを打ち上げる傾向にある.2022年はPlanet社が44機,Swarm Techが56機,Satellogic SAが9機,Astrocastが4機,BlackSkyが2機, Unseenlabsが3機, HawkEyeが6機,Kleosが4機,ICEYEが4機, Capellaが2機, Umbraが2機,Synspectiveが2機と民間事業者が量産型の衛星を打ち上げつつある.

Cubesat

民間ビジネスのCubesat利用においても,近年は大型化の傾向が見られている.従来は3Uサイズを中心に,世界ナンバー2の打上数を誇ってきたSPIRE社が3Uだけではなく6Uコンステを打上開始している.これは従来のビジネスモデル拡大し,AIS/ADS-B/GNSS-ROだけでなく,SIGINT事業も加えて計10機の6Uサイズが打ち上げられた.同社はさらに12Uサイズも計画も発表している.機能強化に応じて衛星の能力を向上する動向が見られている.また衛星の量産化へ向けて通信衛星を板型の衛星で製造し,Starlinkのようにロケット搭載最適化モデルで衛星を設計する動向も見られている.それはAEROSPACECORPによるNASAと共に開発しているDISKSATや,地上携帯電話と衛星と直接通信するLYNK Global社が量産仕様型の衛星(LYNK TOWER 1)を打上開始している.箱型で衛星を設計,製造する方式に加え,準二次元の板型で衛星を製造する手法が徐々に生まれつつある.

ミッション需要においても,多波長(ハイパー)センサーを搭載したSatellogic社や, GhGガス観測を目的にしたGhGsat社が次世代型光学センサー搭載の衛星コンステを打上げている.

サイエンスミッションでは,MITのリンカーン研究所が大型周回気象衛星センサーと同等のマイクロ波放射計を3Uサイズ衛星TROPICSにより観測したデータが公開された.NASAでもTEMPEST-D(6U)にて気象観測にもCubesatが適用可能である実例を示した.またバイオ衛星による癌細胞の変化を宇宙空間で検証する3Uサイズの計画も発表された.

光通信では,Cubesat搭載可能な衛星―地上間の光通信の開発がドイツDLRやTESAT,アメリカでもBlucebed,MITなどで開発が行われ,安価な光通信地上局開発をAEROSPACECORが発表(1基4000万円程度)している.また,全方位光通信を開発していたNASA-JPLのISOCが民営化し,Chascii社として事業化が発表された.またNASAがCubesat搭載として従来のMbpsクラスの光通信からGbpsの光通信を実証する衛星PTD-3が打ち上げられている.

最後に,小型衛星の技術として将来の宇宙クラウドコンピューティング時代を見据えて,軌道上で画像処理を行うオンボード・エッジコンピューティング技術の動向が見られた.光学地球観測の画像を撮像後すぐに画像解析する技術動向の発表が見られ,Unibap社,Northrop Grumman社,ESAなどが雲除去アルゴリズムや,データ解析用のアルゴリズムの開発を進めている.

小型衛星の市場予測は,2030年までに年平均17.05%の成長率と見込まれ,今後も引き続き堅調に推移すると見られている.他方で,デブリ問題に関する関心が近年高まっており,米国では軌道上運用終了後にLEO衛星においては5年以内に再突入するレギュレーションが提案され,小型衛星を運用する組織は今後,自らデブリ対策が必須になると推測されている.

以上から,2022年はCubeastを中心とする小型衛星数は過去最高を更新し,月探査や気象及び地球観測など高度なミッションへ対応できる能力を示した.また,衛星作りも箱型だけにとどまらず板型へとなり,エッジ処理能力によるオンボードデータ処理技術が発展していることが確認された.

〔金岡 充晃 シー・エス・ピー・ジャパン(株)〕

参考文献

(1) 【論文】(SSC22-WKII-01)Amelia Gagnon et al, Data Validation of the NASA Time-Resolved Observations of Precipitation structure and storm Intensity with a Constellation of Smallsats (TROPICS) Pathfinder Microwave Radiometer, 2022 Aug, Small satellite Conference.

(2) 【論文】(SSC22-VI-2)Scott E. Palo et al, Cobalt: The Next Step in Low SWaP-C Optical Terminal Design, 2022 Aug, Small satellite Conference.

(3) 【ホームページ】https://www.marketwatch.com/press-release/small-satellite-market-2023-to-2030-1705-cagr-2023-04-19(参照⽇ 令和5年4⽉24⽇参照)

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