16. 加工学・加工機器
16.1 概論
16.2 切削加工
16.3 研削・研磨加工
16.4 電気・化学加工
16.5 エネルギービーム加工
16.6 工作機械
16.7 工具および工作機器
16.8 加工計測
16.1 概論
2018年は「未来へつなぐ,技術の大樹」を統一テーマにJIMTOF 2018(第29回日本国際工作機械見本市)が開催された.世界の3大工作機械見本市の一つとされ世界の注目を集めるが,世界21の国と地域から1,085社が出展して15万人を超える来場者を集めた.
ドイツがIndustrie4.0を提唱してから数年が経過し,スマートファクトリーの実現に繋がる“つながる工場”や“工場の見える化”が具現化されてきた.JIMTOF 2018でも会場を一つの工場に見立てて,会場内の72社,292台の工作機械やロボットがIoTプラットフォームで接続され,運転状況や稼働率の見える化が実演された.AIや機械学習によるロボットのピッキング動作のティーチング,設備や工作機械の予防保全,加工状態の推定や異常検出,制御装置のチューニングといった知能化技術も目を惹いた.また,作業者とロボットの協調作業や工作機械とロボットの連携による省力化・省人化も進むが,作業者にとってロボットのティーチングが容易かどうかに課題が残る.
IoTやAIに注目が集まるが,各種の加工法,工具・工作機器や計測技術などの支えがなければ生産技術は進歩しない.切削加工や研削加工では新しい加工法や難削材の加工の研究が精力的に行われている.最近ではギヤスカイビング加工が注目されている.難削材のチタンやインコネルはもちろん,光学ガラスやサファイアの加工や,機能性表面を創成するための微細加工への関心も高い.
付加製造(Additive Manufacturing,AM)は設備投資や材料費の負担が大きく,量産品の製造への適用は難しいが,新たに金属造形物内部の残留応力を抑制する技術が開発され,5軸マシニングセンタや複合加工機とのハイブリッド加工機が次々と発表され,付加価値の高い製品の製造では実用化が模索されている.
炭素繊維強化プラスティック(CFRP)の成形や加工は,航空機分野で研究開発が進められてきたが,自動車分野でも車体の軽量化を目的としたCFRPの導入が検討され,成形や加工の高効率化,低コスト化の技術開発が加速している.
医療分野では人工骨や歯科治療用の補綴物などインプラントの需要が急増している.インプラントは患者ごとの一品生産(カスタマイズ生産)であるが,量産品と同様に加工用のNCプログラムの作成が求められる.機械加工の専門家ではない医療従事者にとっては,NCプログラムの作成を必要としない3Dプリンタのような簡単操作によるインプラント加工が望まれている.
スマートファクトリーの実現には,日本が強みとしてきた要素技術のパフォーマンスをIoTやAIを駆使して最大限に引き出すことが不可欠である.要素技術の普遍的な基礎研究と,その研究成果を実用化へと繋げる開発研究を産官学の連携で推進していかなければならない.
〔白瀬 敬一 神戸大学〕
16.2 切削加工
2018年の切削加工に関する論文は,本会論文誌に4編,精密工学会誌および砥粒加工学会誌に11編,本会のJ. Adv. Mech. Des. Sys. and Manuf.に8編,ASME J. Manuf. Sci. and Eng.に37編,Int. J. Mach. Tools and Manuf.に19編,CIRP Annalsに20編,J. Mat. Proc. Tech.に11編,Prec. Eng.に14編,Wearに6編が掲載された.
研究対象となった加工法についての内訳としては,旋削加工が42編,ミリング加工が42編,平削りなどの二次元切削が21編,ドリル加工が10編あったほか,歯切り加工やロータリ切削加工など,特殊な加工形態を対象としたものも見られた.対象となった被削材については,アルミニウム合金が26編,ステンレス鋼や焼き入れ鋼,鋳鉄などの鉄鋼類が22編と多く見られた一方で,Ti-6Al-4Vに代表されるチタン合金が20編,Inconel 718などのニッケル基合金が7編と,難削材に関する研究も依然として盛んに行われていた.
近年のスマートファクトリー化に向けた動きは,切削加工分野の研究にも広く波及しており,工具状態やびびり振動のモニタリングに関する研究が数多く見られた.これらの研究については,主軸の電力値(1),CNCシステムからの電流の指令値(2),フィルタリングした振動波形(3)などから状態監視を行うものがあった.さらに,工具の状態監視については機械学習を導入した事例も目立ち,AEセンサや加速度計などから得られる情報を用いたもの(4),切削音から工具の状態を予測する方法(5)などが提案されている.また,その他の機械学習を援用した研究としては,AM造形物の切削加工における抵抗を予測する試み(6)などが報告されている.
機械学習やIoTを有効活用するためには,加工状態のセンシング技術が極めて重要となる.これらに関連して,薄膜型熱電対やピエゾセラミックス膜を工具表面や工具保持部に埋め込むことで,加工点温度(7)や切削抵抗(8)をリアルタイムで測定することができる,インテリジェント工具システムなども提案されている.
超精密切削加工の分野においては,フッ化物ガラス(9),Zr基金属ガラス(10),フッ化カルシウム(11)など,特異な被削性を有する材料を対象とした研究が多く見られた.他にも,ナノスケールの溝構造を形成するための新たな試みとして,AFMによるスクラッチ作用を利用した方法などが新たに報告されている(12)(13).
その他,工具経路に関する研究(14)(15)や,プリズム(16),微細三次元凹凸面(17)といった特殊形状の創成を目的とした研究などが行われている一方で,切削現象そのものに対する基礎的な研究も実施されており,例えば,チタン合金加工における鋸刃状切りくず生成メカニズムに関する研究(18)-(20)が,複数の研究グループから発表されていた.また,切削加工品のクオリティを評価するにあたっては,単純に仕上げ面粗さを評価するだけではなく,加工条件の違いが切削加工後の材料の疲労破壊強度(21)(22)に及ぼす影響などについても報告されている.
〔杉原 達哉 大阪大学〕
参考文献
(1)Wang, X., Williams, R. E., Sealy, M. P., Rao, P. K., and Guo, Y., Stochastic Modeling and Analysis of Spindle Power During Hard Milling With a Focus on Tool Wear, ASME Journal of Manufacturing Science and Engineering, Vol. 140, No. 11 (2018), pp. 111011-1-8.
(2)Aslan, D., and Altintas, Y., On-line chatter detection in milling using drive motor current commands extracted from CNC, International Journal of Machine Tools and Manufacture, Vol. 132 (2018), pp. 64-80.
(3)Caliskan, H., Kilic, Z. M., and Altintas, Y., On-Line Energy-Based Milling Chatter Detection, ASME Journal of Manufacturing Science and Engineering, Vol. 140, No. 11 (2018), pp. 111012-1-12.
(4)Zhang, B., Katinas, C., and Shin, Y. C., Robust Tool Wear Monitoring Using Systematic Feature Selection in Turning Processes With Consideration of Uncertainties, ASME Journal of Manufacturing Science and Engineering, Vol. 140, No. 8 (2018), pp. 081010-1-12.
(5)Kothuru, A., Nooka, S. P., and Liu, R., Audio-Based Tool Condition Monitoring in Milling of the Workpiece Material With the Hardness Variation Using Support Vector Machines and Convolutional Neural Networks, ASME Journal of Manufacturing Science and Engineering, Vol. 140, No. 11 (2018), pp. 111006-1-9.
(6)Khorasani, A. M., Gibson, I., Goldberg, M., and Littlefair, G., Characterizing the Effect of Cutting Condition, Tool Path, and Heat Treatment on Cutting Forces of Selective Laser Melting Spherical Component in Five-Axis Milling, ASME Journal of Manufacturing Science and Engineering, Vol. 140, No. 5 (2018), pp. 051011-1-16.
(7)Kesriklioglu, S., Morrow, J. D., and Pfefferkorn, F. E., Tool–Chip Interface Temperature Measurement in Interrupted and Continuous Oblique Cutting, ASME Journal of Manufacturing Science and Engineering, Vol. 140, No. 5 (2018), pp. 051013-1-6.
(8)Drosse, WG., Gebhardt, S., Bucht, A., Kranz, B., Schneider, L., and Ettrichrätz, M., Performance of a new piezoceramic thick film sensor for measurement and control of cutting forces during milling, CIRP Annals, Vol. 67 (2018) pp. 45-48.
(9)石塚 潤, 長澤 圭祐, 三神 政之, 閻 紀旺, フッ化物ガラスの超精密切削, 砥粒加工学会誌, Vol. 62, No. 2 (2018) pp. 88-93.
(10)中尾 陽一, 坂田 脩, 林 晃生, 寺島 岳史, Zr基金属ガラスに対する単結晶ダイヤモンド切削による鏡面加工の試み, 砥粒加工学会誌, Vol. 62, No. 4 (2018) pp. 211-218.
(11)Mizumoto, Y., and Kakinuma, Y., Revisit of the anisotropic deformation behavior of single-crystal CaF2 in orthogonal cutting, Precision Engineering, Vol. 53 (2018) pp. 9-16.
(12)Geng, Y., Brousseau, E. B., Zhao, X., Gensheimer, M., and Bowen, C. R., AFM tip-based nanomachining with increased cutting speed at the tool-workpiece interface, Precision Engineering, Vol. 51 (2018) pp. 536-544.
(13)Yan, Y., Zhou, E., Geng, Y., He, Y., and Zhao, X., Modelling and experimental study of nanoscratching process on PMMA thin-film using AFM tip-based nanomachining approach, Precision Engineering, Vol. 54 (2018) pp. 138-148.
(14)Xu, J., Ji, Y., Sun, Y., and Lee. YS., Spiral Tool Path Generation Method on Mesh Surfaces Guided by Radial Curves, ASME Journal of Manufacturing Science and Engineering, Vol. 140, No. 7 (2018), pp. 071016-1-13.
(15)Lu, YA., Wang, CY., Sui, JB., and Zheng, LJ., Smoothing Rotary Axes Movements for Ball-End Milling Based on the Gradient-Based Differential Evolution Method, ASME Journal of Manufacturing Science and Engineering, Vol. 140, No. 12 (2018), pp. 121008-1-10.
(16)Milliken, N., Hamilton, B., Hussein, S., Tutunea-Fatan, O. R., and Bordatchev, E., Enhanced bidirectional ultraprecise single point inverted cutting of right triangular prismatic retroreflectors, Precision Engineering, Vol. 52 (2018) pp. 158-169.
(17)Huang, R., Zhang, X., Neo, W. K., Kumar, A. S., and Liu, K., Ultra-precision machining of grayscale pixelated micro images on metal surface, Precision Engineering, Vol. 52 (2018) pp. 211-220.
(18)Harzallah, M., Pottier, T., Giblas, R., Landon, Y., Mousseigne, M., and Senatore, J., A coupled in-situ measurement of temperature and kinematic fields in Ti-6Al-4V serrated chip formation at micro-scale, International Journal of Machine Tools and Manufacture, Vol. 130-131 (2018) pp. 20-35.
(19)Childs, T. H. C., Arrazola, PJ,. Aristimuno, P., Garay, A., and Sacristan, I., Ti6Al4V metal cutting chip formation experiments and modelling over a wide range of cutting speeds, Journal of Materials Processing Technology, Vol. 255 (2018) pp. 898-913.
(20)Liu, H., Zhang, J., Xu, Xiang, Zhao, W., Experimental study on fracture mechanism transformation in chip segmentation of Ti-6Al-4V alloys during high-speed machining, Journal of Materials Processing Technology, Vol. 257 (2018) pp. 132-140.
(21)Umbrello, D., and Rotella, G., Fatigue life of machined Ti6Al4V alloy under different cooling conditions, CIRP Annals, Vol. 67 (2018) pp. 99-102.
(22)Abdelhafeez, A. M., Soo, A. L., Aspinwall, D. K., Dowson, A., and Arnold, D., The influence of burr formation and feed rate on the fatigue life of drilled titanium and aluminium alloys used in aircraft manufacture, CIRP Annals, Vol. 67 (2018) pp. 103-108.
16.3 研削・研磨加工
2018年中は,本会論文集,精密工学会誌,砥粒加工学会誌に19編,また,国際誌ASME J. Manuf. Sci. and Eng., Int. J. Mach. Tools and Manuf., CIRP Annalsに27編,計46編の研削・研磨加工に関する研究論文が掲載された.その内訳は,研削加工31編(切断加工1編を含む),研磨加工15編である.
研削加工の分野では,研削現象の解明,表面下損傷の評価,ツルーイング・ドレッシング,特殊な研削加工法に関する研究が行われている.研削現象の解明では,研削砥石のモデリングや研削加工のシミュレーションが目立つ.具体的には,砥粒径のばらつきがウェハ研削面に与える影響の調査(1),砥石の組成に基づいた砥石表面トポグラフィのモデリング(2),研削砥石の砥粒摩耗のシミュレーション(3),研削領域の温度分布の推定(4)-(6),超微細研削における砥粒切込み深さの推定(7)などである.表面損傷の評価では,光学ガラス研削面の表面下損傷の可視化および評価(8)(9)が行われている.ツルーイング・ドレッシングの研究では,通常砥石を用いたダイヤモンドホイールのツルーイングメカニズムの解明(10)や単粒ダイヤモンドドレッサの摩耗状態のモニタリングの研究(11)が行われている.特殊な研削加工法の研究としては,プラズマショット法と研削加工の組合せによる低摩擦面の創成に関する研究(12),振動援用研削加工(13)(14),超音波振動援用電解研削加工(15),レーザ加工と研削加工の組合せによる加工(16)(17)の研究が進められている.その他に,歯車研削の研究(18)(19),センタレス研削盤における振動抑制機構の開発(20),2軸回転砥石を用いたCFRP積層材への穴あけ加工の研究(21)などが行われている.
研磨加工の分野では,ウェハの研磨加工に関する研究が盛んに行われている.ウェハの研磨加工では厚さむらや研磨むらの抑制が重要であり,そのために,研磨パッドと工作物間でのスラリーの流れの解明(22)(23),両面研磨加工のシミュレーションに基づく加工条件最適化(24)(25),新しい研磨パッドの開発(26)が行われている.また,サファイアなどの難加工基板の場合,除去効率の向上も求められるため,除去効率の向上を目的としたCMPの研究(27)-(29)や,単結晶ダイヤモンドウェハのプラズマ援用ポリシングに関する研究(30)などの研究が進められている.ウェハ以外の研磨加工では,自由曲面のジェット研磨に関する研究(31)や,超音波キャビテーション援用による流体ジェット研磨に関する研究(32)が進められている.
〔水野 雅裕 岩手大学〕
参考文献
(1)蛯名雄太郎, 他, 実験とシミュレーションによる砥粒径のばらつきがウエハ研削面に与える影響の調査, 精密工学会誌, Vol.84, No.7(2018), pp.640-645, DOI: 10.2493/jjspe.84.640.
(2)S. Barth, et al, Modeling of the Grinding Wheel Topography Depending on the Recipe-Dependent Volumetric Composition, Trans. of ASME, J. Manuf. Sci. and Eng., Vol.140, No.2(2018), DOI: 10.1115/1.4037598.
(3)P. Wiederkehr, et al, Stochastic modeling of grain wear in geometric physically-based grinding simulations, CIRP Annals, Vol.67, No.1(2018), pp.325-328.
(4)Z. Nie, et al, A Statistical Model of Equivalent Grinding Heat Source Based on Random Distributed Grains, Trans. of ASME, J. Manuf. Sci. and Eng., Vol.140, No.5(2018), DOI: 10.1115/1.4038729.
(5)C. Guo, et al, Thermal modeling and optimization of interrupted grinding, CIRP Annals, Vol.67, No.1(2018), pp.321-324.
(6)H. N. Li, et al, On the inverse design of discontinuous abrasive surface to lower friction-induced temperature in grinding: An example of engineered abrasive tools, Int. J. Mach. Tools and Manuf., Vol.132(2018), pp.50-63, DOI: 10.1016/j.ijmachtools.2018.04.006.
(7)B. Lin, et al, Analytical Elastic–Plastic Cutting Model for Predicting Grain Depth-of-Cut in Ultrafine Grinding of Silicon Wafer, Trans. of ASME, J. Manuf. Sci. and Eng., Vol.140, No.12(2018), DOI: 10.1115/1.4041245.
(8)古城直道, 他, 光学ガラスの表面下損傷の可視化, 砥粒加工会誌, Vol.62, No.1(2018), pp.33-38, DOI: 10.11420/jsat.62.33.
(9)川名雄也, 他, ゴム砥石を用いたBK7ガラスの超精密研削加工面の評価, 砥粒加工会誌, Vol.62, No.2(2018), pp.94-100, DOI: 10.11420/jsat.62.94.
(10)R. Dražumerič, et al, Truing of diamond wheels – Geometry, kinematics and removal mechanisms, CIRP Annals, Vol.67, No.1(2018), pp.345-348.
(11)J. Badger, et al, Acoustic emission in dressing of grinding wheels: AE intensity, dressing energy, and quantification of dressing sharpness and increase in diamond wear-flat size, Int. J. Mach. Tools and Manuf., Vol.125(2018), pp.11-19, DOI: 10.1016/j.ijmachtools.2017.11.007.
(12)京泉朋希, 他, プラズマショット法と研削加工による低摩擦・低摩耗面の創成, 砥粒加工会誌, Vol.62, No7(2018), pp.371-376, DOI: 10.11420/jsat.62.371.
(13)由井明紀, 他, サファイアウエハの振動援用インフィード平面研削に関する研究, 砥粒加工会誌, Vol.62, No.8(2018), pp.427-432, DOI: 10.11420/jsat.62.427.
(14)G. Bechcinski, et al, A Model and Application of Vibratory Surface Grinding, Trans. of ASME, J. Manuf. Sci. and Eng., Vol.140, No.10(2018), DOI: 10.1115/1.4040725.
(15)S. Li, et al, Fundamental Machining Characteristics of Ultrasonic-Assisted Electrochemical Grinding of Ti–6Al–4V, Trans. of ASME, J. Manuf. Sci. and Eng., Vol.140, No.7(2018), DOI: 10.1115/1.4039855.
(16)S. Xu, et al, Grinding Characteristics, Material Removal, and Damage Formation Mechanisms of Zirconia Ceramics in Hybrid Laser/Grinding, Trans. of ASME, J. Manuf. Sci. and Eng., Vol.140, No.7(2018), DOI: 10.1115/1.4039645.
(17)B. Azarhoushang, et al, Study of the effects of laser micro structuring on grinding of silicon nitride ceramics, CIRP Annals, Vol.67, No.1(2018), pp.329-332.
(18)T. Bergs, Cutting force model for gear honing, CIRP Annals, Vol.67, No.1(2018), pp.53-56.
(19)S. Jermolajev, et al, Surface layer modification charts for gear grinding, CIRP Annals, Vol.67, No.1(2018), pp.333-336.
(20)D. Barrenetxea, et al, Increased productivity in centerless grinding using inertial active dampers, CIRP Annals, Vol.67, No.1(2018), pp.337-340.
(21)T. Kunimine, et al, Drilling CFRP Laminates by Dual-Axis Grinding Wheel System With Copper/Diamond Functionally Graded Grinding Wheel, Trans. of ASME, J. Manuf. Sci. and Eng., Vol.140, No.7(2018), DOI: 10.1115/1.4039650.
(22)福田明, 研磨パッド・アスペリティ内のミクロなスラリー循環流れ—拡大パッド模型を使ったスラリー流れの可視化結果, 精密工学会誌, Vol.84, No.2(2018), pp.182-187, DOI: 10.2493/jjspe.84.182.
(23)諏訪部仁, 他, ミリバブルを含有したスラリーのラップ定盤上でのスラリー挙動, 砥粒加工会誌, Vol.62, No.5(2018), pp.258-263, DOI: 10.11420/jsat.62.258.
(24)橋本洋平, 他, 両面研磨シミュレーションに基づくウェハ挙動の検討, 精密工学会誌, Vol.84, No.2(2018), pp.188-193, DOI: 10.2493/jjspe.84.188.
(25)福井克成, 他, 両面研磨加工におけるウェーハ厚さむら抑制のための加工条件最適化, 精密工学会誌, Vol.84, No.3(2018), pp.277-283, DOI: 10.2493/jjspe.84.277.
(26)張宇, 他, 無気孔アミド系エポキシ樹脂研磨パッドの開発, 精密工学会誌, Vol.84, No.7(2018), pp.646-65, DOI: 10.2493/jjspe.84.646.
(27)畝田道雄, 他, スウェードパッドを用いたサファイア基板の超音波振動アシストCMPの研究, 砥粒加工会誌, Vol.62, No.3(2018), pp.148-153, DOI: 10.11420/jsat.62.148.
(28)畝田道雄, 他, 難加工基板を対象としたプラネタリCMP 法の研究, 砥粒加工会誌, Vol.62, No.11(2018), pp.578-583.
(29)Y. Xu, et al, Study on high efficient sapphire wafer processing by coupling SG-mechanical polishing and GLA-CM, Int. J. Mach. Tools and Manuf., Vol.130-131(2018), pp.12-19, DOI: 10.1016/j.ijmachtools.2018.03.002.
(30)K. Yamamura, et al, Damage-free highly efficient polishing of single-crystal diamond wafer by plasma-assisted polishing, CIRP Annals, Vol.67, No.1(2018), pp.353-356.
(31)C. F. Cheung, et al, Curvature-adaptive multi-jet polishing of freeform surfaces, CIRP Annals, Vol.67, No.1(2018), pp.357-360.
(32)A. Beaucamp, et al, Process mechanism in ultrasonic cavitation assisted fluid jet polishing, CIRP Annals, Vol.67, No.1(2018), pp.361-364.
16.4 電気・化学加工
2018年に主要学術誌に掲載された放電加工と電解加工に関する研究を中心に紹介する.
放電加工分野に関しては,微細領域で生じる高速現象である放電を観察するため,高速度ビデオカメラを用いた加工現象の解明が試みられている.ハイスピードカメラに高倍率でかつ長いワーキングディスタンスを持つ観察系を構成し,単発放電の発生中に複数回の溶融金属の飛散が確認された.さらに,放電終了後も溶融金属が継続して飛散する現象も確認されている(1).また,放電加工油中およびイオン交換水中での放電加工における極間現象の観察が高速度ビデオカメラとSiC透明体電極を使用して試みられた(2).また,補助電極法を用いたシリカガラスに対する放電加工において,高速度ビデオカメラを使用した放電波形と加工現象との同期観察が試みられた(3).また,融金属の再凝固過程を高速度ビデオカメラで観察し,材料の再凝固によって生じる溶解ガスの脱気の影響が実験的に調査されている(4).さらに,底付深穴微細放電加工における加工屑や気泡の挙動観察が高速度ビデオカメラを用いて実施されている(5).
放電加工の用途の拡大として難加工材料に対する加工が実施されている.SiC,ZrO2セラミックスに対して,イオン交換水中で電極を消耗させ,導電性被膜としてセラミックス表面に堆積させることで表面の導電性を維持した加工(6),複合材料に対する放電加工としてNi-Al2O3に対する微細放電加工(7),ZTA-TiC(8),ZrB2-SiCセラミックスの加工が試みられている(9).
ワイヤ放電加工においては,ZTA-NbCに対するワイヤ放電加工が実施されている(10).さらに,2色温度計を用いたワイヤ電極の温度測定(11)や,加工中に断面形状が変化する円形断面形状のSiCインゴットからの切り出し加工において,マルチワイヤ放電加工による均一な切幅での切り出し手法についての報告がなされ,工作物切断幅に応じた工作物送り速度にすることで,断面ほぼ一様な厚さに加工できることが示された(12).さらに,ワイヤ放電加工におけるコーナ形状精度に与える加工液噴流の影響についてCFD解析によるシミュレーションが実施されている(13).
その他,絶縁材料(TiO2)と移送媒体となる低沸点材料(Zn)とで構成された圧粉体を電極として使用し,加工対象に対する絶縁材料の移送が試みられている(14).また,微細放電加工手法として,インチワーム機構と比較し機器構成の簡素化が図れるアザラシ型機構による電極送り機構が提案されている(15).
電解加工分野においても高速度ビデオカメラを用いた加工現象の解明が試みられている.
透明体電極となるGa2O3を使用し,電解加工中の極間の観察が実施され,ガスクロマトグラフィーによる発生ガスの構成成の分量の分析やパルス幅と電流密度との関係について報告されている(16).
微細軸成形は放電加工が一般的であったが,電解加工を用いた微細加工として,静電誘導給電法による微細タングステン棒の加工が試みられている.静電誘導給電法は,パルス電源をコンデンサを介して極間に容量結合することで,浮遊容量の影響を回避することが出来る.静電誘電給電法は両極性であるため,電極の消耗が確認されたが,WEDG法のように,走行ワイヤを電極に使用することで電極の消耗の影響を受けずに微細タングステン軸の加工が可能となることが示された(17).また,電解液をノズルからジェット噴射することにより発生する液糸を工具電極として使用するマイクロ放電加工(E-jet μEDM)(18)や,電解加工による小径曲がり穴加工の加工プロセスについて報告されている(19).さらに形状加工に関する報告として,走査電極を使用し,溝形状を加工する場合の電解加工特性について報告されている.インコネル718やSUS430に対して一定速度の走査を行なった場合,均一な溝形状が加工されるが,チタン合金(Ti-6Al-4V)に対しては溝形状がまばらになることが確認された.しかしながら,チタン合金に対しての加工においても,加工条件を検討することにより均一化が図れることが示されている(20).加工精度に関する報告として,角部における除去プロセスの調査が行なわれている.電解研磨プロセスによって加工中に発生する気泡が角部にたまることにより,角部の電流密度が低下することが平坦部より角部の表面粗さが悪化する要因であることが示されている(21).その他,用途の拡大として,難加工材料であるチタン,ニオブ,インコネル600に対して電解複合研磨が試みられており,加工条件を最適化することで表面粗さや加工量の向上が図られている(22).
〔後藤 啓光 筑波技術大学〕
参考文献
(1)谷貴幸,辻田容希,後藤啓光,毛利尚武,気中単発放電における材料除去過程の観察,電気加工学会誌,Vol.52,No.129(2018), pp.31-37.
(2)Masanori Kunieda, Tomoo Kitamura, Observation of difference of EDM gap phenomena in water and oil using transparent electrode, Procedia CIRP, Vol.68(2018), pp.342-346. DOI: 10.1016/j.procir.2017.12.065.
(3)Masahiro YOSHIDA, Daiki HANAOKA, and Ryosuke SATO, Attempts at Synchronized Observation of Processing Phenomenon and Discharge Waveform in Electrical Discharge Machining of Transparency Insulators., Procedia CIRP, Vol.68(2018), pp.272-275. DOI: 10.1016/j.procir.2017.12.061,
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16.5 エネルギービーム加工
今年度は,エネルギービーム加工の中でも特に,付加製造法(Additive Manufacturing,以下AMと略す)の研究動向について調査した.AMに関する研究は,ここ数年前から注目が集まり世界中で研究が行われるようになってきている.特に注目される点として,2018年度においては,国際論文数がこれまでの2倍に増加していることが挙げられる.
Elsevier社のScopus文献データベースに基づいて調査を行った.調査内容としては,主要ジャーナルの傾向,各国の研究活性度,研究関心度について抽出して整理した.2012年度から2018年度の査読付き論文に対して,キーワードを「Additive Manufacturing」としてデータベースから抽出した.
この抽出された論文から主要ジャーナル毎に整理した.図5-1は,主要ジャーナルの年度毎のAM論文数の推移を示している.Additive Manufacturing, International Journal of Advanced Manufacturing Technology,Rapid prototyping Journal,Materials and Design,Proceedings of SPIE The International Society for Optical Engineering の主要5論文誌に投稿されていた.特に,2018年度においては,Additive Manufacturing誌の論文数の増加が著しく,他の論文誌も掲載数を増やしている事が注目される.
次に,各国の研究活性度を調べるために,著者の国籍毎で整理した.図5-2は,各国の年度毎のAM論文数の推移を示す.米国と中国の論文数は他国と比較して多い.特に中国は,数年前から急激に論文数が増加しており,論文数の伸びが著しい.
最後に,研究者の研究関心度に基づき整理した.ここではScopusで各論文に対して算出されているFWCI(Field-Weighted Citation Impact)を用いた.FWCIとは,類似の論文(同じ分野,出版年,文献タイプ)と比較してどの程度引用されたかを示す指標であり,FWCI>1であれば,その論文が世界の平均より多く引用されていることを意味している.
2018年に公表されたAM論文中,FWCI値の高い上位100論文中に占める,エネルギービーム加工の論文の割合を調べた結果を図5-3に示す.約2/3がエネルギービーム加工関連の論文となっており,また1/4が樹脂溶融堆積法の論文となっていた.
これらのエネルギービーム加工の論文は,全てが金属材料を扱うAM論文で,エネルギー源としては,レーザ光源もしくは電子ビームであった.そこで金属AM論文だけに絞り,FWCI値の上位20論文の研究内容トピックスについて分類した結果を図5-4に示す.
研究内容としては,造形現象の基礎メカニズムに関するもの(1)-(9),材料物性の測定に関するもの(10)-(12),その他の材料開発(13)(14),シミュレーション(15),システム開発(16)となっていた.特に2018年は,アルミニウム合金AlSi10Mgに関する研究論文が増加していた点に特徴があった(17)-(20).
図5-1 主要ジャーナルのAM論文数の推移
図5-2 各国のAM論文数の推移
図5-3 2018年のAM研究論文中のエネルギービーム加工の比率
図5-4 2018年の金属AM研究論文トピックス
〔楢原 弘之 九州工業大学〕
参考文献
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16.6 工作機械
2018年に発表された工作機械に関する論文として,工作機械の構造,性能評価および補正に関する論文,主軸,送り駆動系および構成要素の特性や制御に関する論文,運動経路の生成や加減速制御に関する論文,そして制御技術や工具経路生成技術に立脚した加工状態監視や加工状態制御に関する論文について,機械学会論文集,Journal of Advanced Mechanical Design, Systems, and Manufacturing,精密工学会誌のほか,当該分野における代表的な国際学術誌であるCIRP Annals, Precision Engineering,およびInternational Journal of Machine Tools & Manufacture について調査した.その結果,機械工学会論文集第84巻に5編,Journal of Advanced Mechanical Design, Systems, and Manufacturing, Vol.12に6編,精密工学会誌第84巻に10編のほか,CIRP Annals, Vol.67に7編,Precision Engineering, Vol.51~Vol.54に23編,そしてInternational Journal of Machine Tools & Manufacture, Vol.124~Vol.135に25編の計75編の論文が確認された.抽出した論文の抽出もとの学術誌名の割合を図6-1に,抽出された論文の分野ごとの割合を図6-2にそれぞれ示す.図6-1によると,日本機械学会論文集や精密工学会誌といった日本語で出版されている学術誌が占める割合は20%である.
図6-1 工作機械に関する論文が発表された学術誌の内訳
図6-2 工作機械に関する論文の分野ごとの割合
工作機械の構造,性能評価および補正に関する論文(1)-(17)についてみると,工作機械構造の剛性に関する研究(1)や熱変形を推定するための温度測定点に関する研究(2),熱変形のモデル化に関する研究(3),熱変形を評価するための加工試験や測定方法に関する研究(4)(5)のほか,空間誤差の測定やモデル化に関する研究(6)-(8),回転軸の運動精度測定に関する研究(9),誤差の補正に関す研究(10),動的な運動特性の評価と補正に関する研究(11)-(13),および5軸加工における工作物の設置位置による影響に関する研究(14)がみられた.このほか,工作機械の振動特性の評価に関する研究(15)-(17)も散見される.
主軸,送り駆動系および構成要素の特性や制御に関する論文(18)-(48)についてみると,主軸系の周波数特性の評価に関する研究(18)(19),主軸の熱変形とその補正に関する研究(20)(21),主軸のアンバランスによる強制振動に関する研究(22),ウォータードライブ主軸の速度制御に関する研究(23)などがみられたほか,送り駆動系の振動抑制制御に関する研究(24)-(26),ナノメートル位置決め制御に関する研究(27)(28),ボールねじ系の弾性変形の補正に関する研究(29),モータ側と負荷側の慣性モーメント比に関する研究(30),摩擦による影響の補正による高精度制御に関する研究(31)-(33),ラックアンドピニオン機構における予圧制御に関する研究(34)のほか,複数モータで駆動した場合におけるモータの異常による影響に関する研究(35)などがみられた.軸受やリニアガイドについても,静圧軸受や軸受の摩擦特性に関する研究(36)-(38),主軸軸受の予圧制御に関する研究(39)のほか,直動転がり案内の摩擦特性とその制御に関する研究(40)-(42)や,すべり軸受の不安定化の抑制に関する研究(43),磁気軸受の制御に関する研究(44)などがみられた.フィードバック制御用のセンサについても,ロータリーエンコーダやリニアエンコーダの高精度化に関する研究(45)-(47)が発表された.このほか,穴加工時の工具回転精度の向上に関する研究(48)もあった.
工作機械を動かすためのソフトウェア側の視点にたった研究として,運動経路の生成や加減速制御に関する論文(49)-(61)についてみると,軌跡誤差や振動抑制を考慮した経路生成に関する研究(49)-(55)が複数みられたほか,軌跡誤差の予測と補正に関する研究(56),5軸制御加工における特異点の回避に関する研究(57),送り速度の計画に関する研究(58)などがみられた.また,パラメトリックに表現された曲面に基づく経路生成に関する研究(59)(60)や非円形形状加工の高精度化に関する研究(61)も発表された.
制御技術や工具経路生成技術に立脚した加工状態監視や加工状態制御に関しても多くの論文が発表された(62)-(75).モータ内部のサーボ情報を用いたびびり振動の検出に関する研究(62)(63),消費電力の監視による稼動状態の監視に関する研究(64),モータトルクのシミュレーション結果と測定結果の比較による加工状態監視に関する研究(65)などが発表されたほか,工具や工作物の変形とそれによる影響の補正に関する研究(66)-(69),切りくずの制御やびびり振動の抑制に関する研究(70)-(72)がみられた.このほか,機上計測結果に基づく補正に関する研究(73)や,加工面に生じるツールマークの制御(74)や潜像の加工に関する研究(75)があった.
全体を通してみると,75編中33編の論文が中国または中国系の研究者による論文であると見受けられた.とくに工作機械の精度評価や補正,経路生成などに関する分野でその割合が高くなっており,中国で工作機械技術に関する研究が非常に盛んに行われていることが感じられた.
〔佐藤 隆太 神戸大学〕
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16.7 工具および工作機器
切削工具関連では,航空機,自動車や医療機器分野での部品の高機能化のためにチタン合金や耐熱合金等の適用が増加している.そのため,航空機部品でのチタン合金や,自動車エンジン部品でのニッケル基合金などの難削材を高能率に加工できることが強く求められている.したがって,難削材加工を高能率に加工できる切削工具の研究・開発が進められている(1)-(8).その中で,切削工具の表面に微細テクスチャを付与した工具が着目されている.インコネル718における高速切削加工の実現のためにcBN工具に微細表面テクスチャを付与し,工具摩耗の低減による工具寿命の向上が試みられている(9).また,微細表面構造が切削工具と切りくずとの摩擦に及ぼす影響について調査も行われている(10).微細表面テクスチャでは,超音波援用切削による機能性テクスチャリングにより濡れ異方性をもつ表面を創成できることが報告されている(11).
研削や研磨関連では,医療機器として使用される小径ダイヤモンド研削砥石において骨切除時の熱侵襲を抑制する医療用研削工具の開発が進められている(12).また,加工中の砥石表面温度を測定できる加工状態モニタリング砥石を用い,砥石1回転毎の特徴的な温度情報に着目し,その温度情報の時間的な変動に基づき研削状態をインプロセスに判別する手法が提案されている(13).研削砥石における砥粒径のばらつきが研削面に及ぼす影響についても調査されている(14).そして,研削砥石の作業面をパターニングした砥石の開発も行われている(15).光学素子などのガラスなどの平滑化に用いられる研磨パッドにおいて,無気孔アミド系やポリマー微粒子を添加したエポキシ樹脂研磨パッドの開発が進められている(16)(17).また,プラズマを援用した研磨(18)や超音波振動によるクーラントにキャビテーションを付加して研磨する手法(19)も報告されている.
工作機器関連では,機械加工の自動運転によるNCプログラムの制御技術において,切削工具の自動行程設計システム,切削面の切削痕形状を制御する研究などが報告されている(20)-(23).また,工作機械における稼働状況を識別する技術の開発(24)や,工具摩耗による加工異常検出システムの開発(25)などが行われている.また,びびり振動を抑制するために工作機械における主軸を支持する軸受の予圧力を変更して剛性の向上を可能とした可変予圧主軸の開発も報告されている(26).
2018年度は,11月に東京ビッグサイトで第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)が開催され,工具や工作機器における新しい技術や製品が発表され注目を集めた.その中で,Industry 4.0から始まったIoT(Internet of Things),AI(Artificial Intelligence),FA(Factory Automation)/ロボットによるスマート工場化のデジタルものづくりの実現が紹介されていた(27)-(29).それらにより,新たなデジタル情報の移動通信システムによるネットワークの構築に加え,産業用ロボットの自動化や生産現場の可視化により工具と工作機器,および加工技術は大きく変化し,安定した高度な加工を実現するためのデータベース化の情報共有が進み,それに合わせての研究・開発も進められている(30)-(33).
〔野村 光由 秋田県立大学〕
参考文献
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16.8 加工計測
ここでは「加工計測」として,形状・寸法の計測技術に主眼を置き,計測手法そのものに加え,計測データ解析技術などに関してレビューする.多節との重複があるかもしれないが,2018年の加工計測に関する論文は,本会論文集に4編,精密工学会誌に3編,JAMDSMに7編,Precision Engineeringに34編,Int. J. Mech. Tools and Manuf.に4編,CIRP Annals – Manufacturing Technologyに11編を数えた.
3次元形状計測に関するトレンドの1つとして,X線CTを用いた計測技術に関する研究論文が多く報告されている.測定器としては未だ発展途上のX線CTはアプリケーションよりも,その測定精度評価および補正などの研究報告が多い.例えば,多種混合材料計測の研究(1)(2),座標測定器(CMM)との比較計測(3),持ち回り計測(4),不確かさ解析・評価(5),およびアライメントの補正や校正に関する研究(6)-(9)などの報告があった.また,新たな高エネルギー・高分解能を持つX線CTの開発研究(10)も報告されている.
測定技術の目指す方向として,測定精度や測定速度向上に注目されることが多いが,様々な精密計測技術が発展している近年では,測定範囲の拡大が望まれる傾向が強い.まず,データ接合(スティッチング)の例として,小型シリンダ円筒度測定に向けたスティッチングに関する研究(11),回転部品の自己校正回転スティッチングの研究(12)の報告があった.Data fusionによる高ダイナミックレンジ化ついて,フォトグラメトリとCSI計測のData fusionの研究(13),モデルをベースとした表面データ統合による微細構造計測の研究(14),階層的情報を用いたマルチスケール構造計測の研究(15)などの研究が報告されている.高精度化された従来計測原理を組み合わせた新しい計測手法への展開は今後もますます増えてくると予想される.また近年,大型構造物の計測技術も活発に計測されている.例えば,レーザトラッカの研究(16)やそれを用いた工作機械の校正・補正の研究(17)が報告されている.その他形状計測には,歯車測定における半径・接線方向の誤差解析(18),真円度測定器を用いたX線用ミラーの計測(19),光コムレーザを用いたクロマティック共焦点センサ(20),測長AFMを用いたナノ粒子径の測定と不確かさ評価(21)などが報告されている.
従来型汎用器を用いた測定ではなく,測定対象をより特化した新規な計測技術として,ファブリーペロー共振を利用したミラー曲率測定(22),WGM共振を用いたマイクロ球径測定(23),光コムを用いた回折格子ピッチ計測(24),微細穴測定用の3D内視鏡開発(25),光波長掃引による薄膜形状と厚み計測(26)などが報告されている.また,角度計測として,光周波数コムを用いたオートコリメータが提案されている(27).これら新規に提案される計測原理は光応用計測が多く,近年の光コムの広がりに関連してか,光波長やスペクトル分布を用いた測定原理が多く報告されている.汎用化が進む光周波数コムを応用した高精度計測の研究は一層加速すると思われる.
測定技術やIoT推進により,測定によって得られたデータの処理方法,評価方法は急激にその重要性を増している.点群データを扱う研究として,3次元局面の高密度点群データからの欠陥検出(28)が報告されている.また,測定データから幾何公差を評価する方法論として,非球面レンズの最小領域法による評価方法(29),測定データに基づく円筒度の評価法(30)(31),加工プロセスに基づく公差評価法(32)が報告されている.
〔道畑 正岐 東京大学〕
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