日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第86号

国産初の地下鉄車両「モハ1000形1001号」

 1927(昭和2)年12月に東京の上野~浅草間で開業した、わが国初の本格的地下鉄である東京地下鉄道で、最初に使用された電動客車10両(モハ1000形)のうちの第一号車(1001)である。長さ16m×幅2.6m×高さ3.5m、自重35.5tの、全鋼製となっている。基幹部品の大部分を輸入し、国産部品と組み合わせたものであるが、安全には気を配り、国内初の打子式ATS(自動列車停止装置)が装備され、1990年代後半まで継続してシステムが使用されたが、その間の衝突事故ゼロを達成している。保存にあたっては、旧交通博物館に展示されていたものを、営団(現 東京メトロ)が当初の状態に戻すことを基本に修復、地下鉄博物館に展示されている。復元は原設計に基づき、改修箇所を完全に記録した上で実施されており、その資料的価値も高く、草創期の安全思想を含め、わが国地下鉄の技術発展の基礎を示す車両である。なお、2017(平成29)年に重要文化財に指定された。この車両は、電気機械と一般人が密接に関わりあう事象の一つのモデルである。同社では、新型車両(新1000系)の2編成を旧塗装の黄色とし、自己の歴史を一般に伝えていこうとする想いも明確に示している。

《写真提供:公益財団法人メトロ文化財団》

非公開(原則)※特定公開日あり

地下鉄博物館

開館時間:
10:00~17:00(入館は16:30まで)
入館料:
大人210円、こども(満4歳以上中学生まで)100円、団体割引有(団体の場合事前予約要)
休館日:
月曜日(祝日・振替休日となる場合、その翌日)、年末年始(12/30~1/3)
住  所:
〒134-0084 
東京都江戸川区東葛西6-3-1
電話番号:
03-3878-5011
HPアドレス:
http://www.chikahaku.jp/
※公開日についてはHPよりご確認ください。
交通機関:
東京メトロ東西線「葛西」駅下車 葛西駅高架下

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