日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第63号
農機具「資料館」
―農業機械黎明期の機械と史料の博物館―
この資料館は、農研機構農業機械研究部門の一施設である。ここには、日本の農業の機械化を国家的事業として担った旧農林省の農事試験場(鴻巣試験地)が、農機具の開発改良のために購入した外国機、さらに性能の比較研究をした国産機など、250点あまりが保存展示されている。製造年代は、明治後期から昭和30年代までにわたる。
代表的な展示物としては、螺旋(らせん)水車、大正末発明の傘型畜力原動機、発動機利用の先駆けとなり国産開発を促した外国製発動機、大正期に輸入・研究された西欧製と国産黎明(れいめい)期の耕運機や田植機、国産初の本格的乗用トラクター、大正初期の足踏み脱穀機、世界初の藁縄(わらなわ)製縄機などがある。
ここでは、人力から畜力そして原動機へと変化していった、わが国の農業機械化の歴史が一望でき、辛い農作業から人々が解放されていく様子や、日本の小規模農業に合った生産効率の向上過程が理解できる。そこには先人達の工夫の跡が処々に見られ、これらの精神は現在の技術者にも脈々と受け継がれている。併設の農業機械の資料を集めた機械化情報館や現代製品のショールームでは、日本の農業機械化の歴史と未来に触れることができる。
《写真:日本機械学会》
公開(事前予約要)
農業・食品産業技術総合研究機構 資料館
- 開館時間:
- 9:30~16:30
- 利用料:
- 無料
- 利用できない日:
- 土、日、祝日、年末年始
- 住 所:
- 〒331-8537
埼玉県さいたま市北区日進町1-40-2 - 電話番号:
- 048-654-7030
- HPアドレス:
- https://www.naro.go.jp/laboratory/iam/shiryo/index.html
- 交通機関:
- JR大宮駅からバス10分、自衛隊入口バス停下車徒歩5分