日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第53号
池貝工場製第1号旋盤
(現存最古の動力旋盤)
この機械は、日本最初の工作機械メーカーである池貝工場(後の池貝鉄工所、現池貝)の創業者 池貝庄太郎と弟 喜四郎が1889(明治22)年に自社の工場設備機械として製作した英式9フィート旋盤であり、動力式としては国産最古のものである。
心間距離は5フィート(実測値1,550ミリメートル)であり、ベッドは英式である。ベッドには切り落としがあるため、大径物の切削加工が可能である。ねじ切りと自動縦送り用の親ねじが設置されているが、現在の旋盤と異なり、横送り軸のウォーム歯車が背面にある。また、3段のベルト車とバックギアにより6段変速となっている。
ベッドや往復台のしゅう動面、歯車、軸受などをどのように製作したかは不明であるが、池貝兄弟の機械工作技術の高さを示す機械である。
製作当時、同工場には英式の12フィートと6フィートの2台の旋盤があっただけと言われており、乏しい機材の中で製作されたこの旋盤は、マザーマシン国産化の道を拓き、日本の機械工業発展の礎となった記念碑である。
《写真提供:国立科学博物館》
公 開
国立科学博物館
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- 9:00~17:00(入館は16:30時まで)金曜日のみ9:00 ~20:00(入館は19:30 まで)
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