日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第3号

足踏旋盤《明治8(1875)年伊藤嘉平治作》

 この鍛鉄製足踏旋盤は、1875(明治8)年頃に、山形の人伊藤嘉平治が、かの地で製作したとされるものである。
 伊藤嘉平治は、1872(明治5)年に上京して田中久重の工場で機械製作を学び、その際オランダから入ったダライ盤を見たといわれる。
 田中久重は久留米の人で、幕末期に東西のからくりに通じ、佐賀藩の佐野常民に招かれて蒸気機関を研究し、1865(慶応元)年に木造蒸気船凌風丸製造に成功した。明治になり、工部省入りした佐野常民の援助により、1875(明治8)年に、東京で民間最初の機械工場田中製作所を設営し、機械類の修理・製作を行った人である。
 この伊藤嘉平治の鍛鉄製足踏旋盤は1932(昭和7)年に東京工業大学(現東京科学大学)に寄贈され、以来工作機械研究の参考に供されてきた(八木秀次学長が伊藤家にあてて書いた「受贈証明書」があるとされる)が、現在は愛知県犬山市の財団法人博物館明治村の機械館に展示されている。

《写真提供:国立大学法人 東京科学大学》

公 開

博物館明治村

開館時間:
年によって異なるため、詳細はホームページをご確認ください
利用料:
大人2,500円、高校生1,500円、
小・中学生700円
利用できない日:
不定期(詳細はHPで)
住  所:
〒484-0000 
愛知県犬山市内山1
電話番号:
0568-67-0314
HPアドレス:
https://www.meijimura.com
交通機関:
名鉄電車犬山線犬山駅より明治村行バスで20分

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