日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第1号

小菅修船場跡の曳揚げ装置

 幕末に築造された現存最初期の近代造船設備。1867(慶応3)年薩摩藩は外国から買い入れた蒸気船の補修を目的に貿易商T. B. グラバーらと共同出資で着工し、翌1869(明治2)年に完成した。このドックは、スリップ式と呼ばれるもので、曳揚げ小屋に設置した曳揚げ装置を用い1,000tまでの船を上架出来た。曳揚げ小屋には、英国から輸入のボイラ、堅型2気筒25馬力の蒸気機関、歯車による曳揚げ装置が設置されている。船台に敷設されたレール上に台車(船架)をソロバンのように並べ、チェーンを介して蒸気機関で曳き揚げる方式である。
 曳揚げ小屋も日本最初期のレンガ造りである。築造当初の1872(明治5)年6月に明治天皇は小菅の修船場に行幸され、咸通丸(200t)上架状況をご覧になられた。1969(昭和44)年に水面を含む曳揚げ小屋、船台、護岸の合計約8,400m2が国の史跡に指定されている。

《写真提供:三菱重工業株式会社 長崎造船所》

公開(曳揚げ小屋内は土日のみ)

三菱重工業株式会社

利用料:
無料
利用できない日:
小菅修船場跡内:常時開放
曳揚げ小屋内:月~金(土日のみ開放)
住  所:
〒850-0934 
長崎県長崎市小菅町1
電話番号:
095-828-4034
交通機関:
長崎駅より長崎バス利用
(野母崎、深堀、香焼行きに乗車)で15分「小菅バス停」下車直ぐ

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