日本機械学会の「機械遺産」認定基準
【目 的】
歴史に残る機械技術関連遺産を大切に保存し、文化的遺産として次世代に伝えることを目的に、主として機械技術に関わる歴史的遺産「機械遺産」(Mechanical Engineering Heritage)について日本機械学会が認定する。
【認定の指針】
「機械遺産」とは機械技術の歴史を示す具体的な事物・資料であって、以下のいずれかに合致するものをいう。
- 機械技術の「発展史上」重要な成果を示すもの(工学的視点から)。
- 機械技術で「国民生活、文化、経済、社会、技術教育」に対して貢献したもの。
各項目の内容
- 機械技術発展史上重要な成果を示すもの
- 機械技術で独創性または新規性のあるもの
- 品質または性能が優秀なもの
- 機械技術の進歩発達の過程において一時代を画したもの(改良発達)
- 新たな産業分野の創造に寄与したもの(波及効果のあったもの)
- 設計上特筆すべき事項のあったもの
- 日本のものづくりの心と技を端的に示すもの
- 機械技術で国民生活、文化・経済、社会、技術教育に対して貢献したもの
- 国民生活の発展、新たな生活様式の創出に顕著な貢献のあったもの
- 国民生活・文化に貢献したもの
- 地域の発展と活性化に貢献したもの
- 社会、文化と機械技術の関わりにおいて重要な事象を示すもの(最初、最古のもの)
- 動態保存で現在も活用されているもの
- 製造当初の姿を良くとどめているもの
- 意匠上特筆に値するもの
- 機械技術の継承を図る上で重要な教育的価値を有するもの
【認定基準】
次の各項目のいずれかに該当するもので、広く機械技術・機械工学に寄与したもの。
- 対象物が、その独自性(例えば、はじめて開発されたもの、最初のもの、現存最古のもの、以前に広く使われた機械で使用されている最後のもの)によって区別されるもの。
- その他、機械技術史上の特徴を保有しているもの。
- 既に博物館などで記念物として認定されたものも含む。
【認定対象】
認定対象としては原則として
- Site:歴史的景観を構成する機械遺産
- Landmark:機械を含む象徴的な建造物・構造物
- Collection:保存・収集された機械
- Documents:歴史的意義のある機械関連文書類
【対象となる時代】
原則として産業革命以降の工業化がなされた時代を対象とするが、必要に応じて範囲を遡及的に拡大することを妨げない。また、年代の下限は設けない。