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2025/3 Vol.128

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特集 応用広がるモーションキャプチャ

モーションキャプチャ技術のスポーツ分野への応用≪応用分野≫

仰木 裕嗣(慶應義塾大学)

はじめに

スポーツバイオメカニクス分野でモーションキャプチャは確固たる地位を築いた研究機材であることは疑うべくもない。弊キャンパスでは2000年から光学式モーションキャプチャを大学のメディアセンター(他大学でいう図書館)の設備として導入していただき、以来機材のリプレイスによって現在ではVicon社の最新鋭機を保有している。この教育設備のモーションキャプチャカメラは毎学期行う講習会を受講すれば、在学生の誰もが地下の撮影スタジオ(フォースプレートが埋め込める設備も保有)で利用できるという素晴らしい制度を設けていただいている。とはいえ、10m四方にも満たないキャプチャ部屋では限られた運動しか計測できないため、我々は体育館や陸上競技場、ときには馬場といったフィールドに飛び出し、さまざまなモーションキャプチャ実験を過去に行ってきた。本稿ではそのなかでも計測に工夫を凝らした事例をご紹介したい。

体操競技のモーションキャプチャ

トランポリンのモーションキャプチャ

2016年リオデジャネイロオリンピックに筆者の研究室学生であった棟朝銀河君(現・セイコーホールディングス)が出場した。同大会では4位とメダルにはあと一歩及ばなかったが非常に優れたアスリートであるとともに、卒業研究では自身の経験からトランポリンにおける怪我の要因となるストレートジャンプについてのモーションキャプチャ実験を国立スポーツ科学センター(JISS)の協力のもと同センターで実施し、その成果は国際バイオメカニクス学会で発表済みである(1)

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