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2025/3 Vol.128

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特集 応用広がるモーションキャプチャ

AR マーカー式モーションキャプチャシステム≪計測技術≫

内野 真喜〔(株)フォトロン〕

新発想のモーションキャプチャシステム

カメラ1台、マーカー1枚で6自由度(位置・姿勢)を3次元画像計測

フォトロンではカメラ1台、マーカー1枚で6自由度の位置(座標X, Y, Z)と姿勢(角度Roll, Pitch, Yaw)を画像計測できる簡易モーションキャプチャシステム『6D-MARKER Analyst』を開発した。本システムが一般的なモーションキャプチャシステムと異なる特長を、利用シーンに即してご紹介する。

近年、自動車業界をはじめとした産業界の研究開発現場では「モデルベース開発」が盛んである。併せて、実験データをシミュレーションの精度向上に役立てる試みも行われている。この際、画像解析に基づく計測データなどを使った、これまでにない検証方法の重要性が増している。計測場面が増える中、これまでの高精度なデータ取得に加えて、手軽に数多くの計測データを取得する必要性が叫ばれている。

そこで当社は簡易モーションキャプチャシステム『6D-MARKER Analyst』(図1)を開発し、販売を行っている。

図1 6D-MARKER Analyst

一般的なモーションキャプチャシステムはカメラを複数台固定する必要があるため、高い精度は出るものの設備が大型になるなど制約が多い。そのため「セッティング時間を短縮したい」「狭い箇所を計測したい」「実車走行試験などの移動体の中で計測したい」「カメラが振動する場所でも計測したい」「導入コストを抑えたい」といった多くのニーズがあった。

「6D-MARKER」はARマーカーに特殊な加工を施したことで、従来型のARマーカーと比較して正面撮影時の計測精度が飛躍的に向上している。そのためモーションキャプチャに利用できる高い計測精度を実現したことにより、カメラ1台とマーカー1枚から3次元空間内の位置(X, Y, Z)・姿勢(Roll, Pitch, Yaw)を画像から計測が可能なシステムとなっている。

また、「6D-MARKER」は挙動を計測する点だけでなく空間の座標原点としても設定することができる。そのためカメラが動いたり、振動で揺れたりする環境でも計測することが可能となっている。

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