技術のみちのり
ブレーキシステム開発はアイデア勝負
ブレーキシステム開発はアイデア勝負
2023年度学会賞(技術)
「中小型トラック用電動パーキングブレーキのモータギヤユニット開発」
市場ニーズ
2022年、曙ブレーキ工業(株)は高出力で耐久性に優れた「中・小型トラック向けの電動パーキングブレーキ用モータギヤユニット」(図1)を開発し、量産供給を実現した。本製品は2ピストンディスクブレーキをベースに、1個のモータ出力を2個のピストンに伝達する世界初の独自機構を備えている。
図1 2ピストン電動パーキングブレーキ
開発は北米から始まった。北米にはトラックの大きな市場があり、特にピックアップトラック(荷台に天井がない車)は大人気だ。電動パーキングブレーキ(EPB)が乗用車向けに普及し始めると、曙ブレーキの北米拠点では中・小型トラック向けEPBも需要があると考え、EPB用モータギヤユニットの開発に着手することを決めた。しかし、乗用車と比べてトラックのブレーキは大型なので技術的な難易度が増す。
キーワード:技術のみちのり
表紙:経年変化してグラデーションに紙焼けをした古紙を材料にコラージュ作品を生み出す作家「余地|yoti」。
古い科学雑誌を素材にして、特集名に着想を受け、つくりおろしています。
デザイン SKG(株)
表紙絵 佐藤 洋美(余地|yoti)