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2025/1 Vol.128

表紙:経年変化してグラデーションに紙焼けをした古紙を材料にコラージュ作品を生み出す作家「余地|yoti」。
古い科学雑誌を素材にして、特集名に着想を受け、つくりおろしています。

デザイン SKG(株)
表紙絵 佐藤 洋美(余地|yoti)

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「匠のワザ」でトラブル完全対策法を学ぶ

第1回 節税×節税は脱税へ、品質×品質は不正へ

國井 良昌(國井技術士設計事務所)

はじめに

2024年12月、「技術者こそコミュニケーション力を磨け!」の連載記事が終了した。会員皆様の愛読に感謝したい。

さて、同年9月中旬、本誌関係者から2025年度における追加連載の執筆依頼を受けた。その面談中に以下の課題が挙がった。

①政治家の度重なる不正行為

②検事や弁護士、警察官や自衛隊員の不正行為

③自動車企業を代表とする日本大企業のデータ偽装

技術者が関与する③を取り上げた場合、不正企業は「再発防止に努める」が定番の回答になっている。しかし、同社もしくは、同業他社でその不正行為が繰り返されている。

事件が発覚する度に、「技術者の倫理」などというセミナーや講話が開催されるが、役に立つのは一時だけ。何度も繰り返すうちに「あぁ、またか!」とマンネリ化している。

これらの対策の共通点は、不正の「現象」だけに対策を打っていることである。さらに言えば、技術者の精神論に訴えているのである。不正や各種不具合などを「トラブル」と総称した場合、その対策は「現象に打つのでなく、原因に打つ」ことが肝要である。

本連載は不正行為に関する真の原因の探求をきっかけに、将来、日本企業を担う若手技術者へ、絶対にトラブルを発生させない「匠のワザ」を伝授したい。そして、初回の本稿は、連載のメインタイトルである『「匠のワザ」でトラブル完全対策法を学ぶ』に関して、残り11回にわたる「シラバスもどき」となれば幸いである。筆者としては「トラブル完全対策法で技術者の不正行為は消滅する」を本連載の一貫したメインテーマとしたい。

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