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2024/11 Vol.127

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絶滅危惧科目-基盤技術維持のための再考ー

第11回 塑性加工は絶滅危惧科目か

冨田 佳宏(神戸大学)

塑性加工

本誌連載絶滅危惧科目に塑性加工を取り上げるように依頼があり、固体力学を専門とする研究者として、適任でないと感じたが、我が国の物つくりの基盤である塑性加工のさらなる発展に向けて考えるところを開陳させていただくことにした。絶滅危惧科目とは刺激的な表現であるが、塑性加工に携わっている専門家の減少は事実であり、他の関連学協会同様、日本塑性加工学会の会員数の大幅な減少傾向に好転の兆しは見られない。金属材料などに塑性変形を付加することによって所定の形状・寸法に加工する塑性加工は、多種多様であり、素材の製造、塊状物を成形、板や管の成形、せん断、切断などの分離加工、圧接など接合に関連する加工法もある。塑性加工は、材料損失が少なく、生産速度が速いため、今後とも、大量生産を必要とする部門で多用されるであろう。加えて加工中の材料の塑性変形によって局所的に材質変化も実現できる。さらには熱処理を組み合せることにより、強度と加工性の向上も可能となり、適用範囲の拡大が期待できる。

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