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2024/11 Vol.127

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特集 建設機械の最新動向

建設現場のDX 実現に向けて~ Smart Construction® の深化~

高橋 正光〔(株)小松製作所〕

はじめに

建設産業は、国民生活や経済活動の基盤となるインフラの整備・維持管理を持続的に行い、災害復旧、防災・減災など「地域の守り手」としても極めて重要な役割を担っている。しかしながら、建設業就業者数は近年、横ばいで推移しているものの、担い手の高齢化が進んでおり、建設産業は、将来的な担い手の確保という喫緊の課題を抱えている。建設産業が「地域の守り手」として持続的に役割を果たしていくためには、若者をはじめとする担い手の確保・育成を図る必要がある。

このような現状において、建設業界では、生産性向上を目的とした国土交通省のi-Constructionの推進で建設現場のICT化が加速されてきたが、改正労働基準法の建設業に対する5年間の猶予措置が終わり、2024年4月より時間外労働に上限規制が適用されたことで実質的な労働力が不足する、いわゆる「2024年問題」の影響から建設業や物流業における倒産が増えている(帝国データバンク調べ2024年7月)。

今後、さらに人口減少が予測される中、「地域の守り手」である建設業を存続させるため、国土交通省は、2040年度までに建設現場の省人化を少なくとも3割、すなわち生産性を1.5倍向上させるため「施工のオートメーション化」、「データ連携のオートメーション化」、「施工管理のオートメーション化」を3本の柱として、建設現場で働く一人ひとりが生み出す価値を向上し、少ない人数で、安全に、快適な環境で働く生産性の高い建設現場の実現を目指して、2024年4月に建設現場のオートメーション化に取り組む「i-Construction2.0」(1)を、新たに掲げた。

さらなる作業時間の短縮、作業の効率化への取組みが必要とされ、省人化も含め、現場管理のやり方が大きく変化しようとしている。AI(人工知能)、ロボティクスなどの新しい技術導入を進め、デジタルトランスフォーメーション(DX)の重要性と緊急性が高まってきている。

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