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2024/10 Vol.127

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特集 社会経済活動を支える気象予測技術

観測による集中豪雨の予測

牛尾 知雄(大阪大学)

はじめに

近年の地球温暖化の進行に伴い、従来に比して豪雨などの大気現象が研究者のみならず、社会的にも関心が高くなっている。実際、気象庁統計(1)によると(図1)、最近数十年の50mm/hを超えるような豪雨の発生件数は増加傾向を示しており、こうした豪雨に伴う事故や被害に関しても毎年のように繰り返されている。こうした災害をもたらす降水現象を観測する最も有効な手段の一つは、電磁波を用いたリモートセンシング技術であり、気象レーダ技術としてよく知られている。レーダ技術の最も大きな利点は、何十あるいは何百kmを対象に起こる気象現象に比して広い範囲を、遠隔で把握できるところにある。このため、世界各国の気象機関、そして日本では国土交通省や気象庁などは国土を覆うようにレーダネットワークを整備し、現況把握と予測に利用している。

図1 全国アメダス1時間降水量50mm以上の年間発生回数(1)

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