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2024/9 Vol.127

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特集 航空機産業およびその関連分野の成長と展望

航空エンジンにおける技術の成長と展望

本田 達人〔(株)IHI〕

はじめに

近年の航空産業への社会からの要請は、カーボンニュートラル(以下CN)を抜きに語ることはできない。2021年にIATA(International Air Transport Association)、ATAG(Air Transport Action Group)は2050年ネットゼロの目標を掲げ、2022年10月に開催されたICAOの総会でも、「2050年までにカーボンニュートラル」を目指す長期目標が採択された。

ATAGがまとめた2050年CNに向けた提言WAYPOINT2050では新技術の導入、運航・インフラの改善、持続可能な航空燃料 Sustainable Aviation Fuel(SAF)の使用、カーボンオフセットなどの経済的手段といった4つの対策が議論されている(図1)(1)

図1 ATAG WAYPOINT2050 Scenario 3: aspirational and aggressive technology perspective(1)

SAFはカーボンニュートラルに必須だが、図2(1)に示すように需要の伸びから予測した必要量と、トレンドから予測した供給量との間には大きなギャップがある。SAFの普及には大きな投資が必要となり、また製造コストも課題となっている。こうしたことからも、航空エンジンへの革新的な新技術の導入は引き続き不可欠である。

図2 ATAG WAYPOINT2050 SAF Production Forecast/Backcast(1)

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