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2024/9 Vol.127

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特集 航空機産業およびその関連分野の成長と展望

川崎重工業における民間航空機事業の取組み

後藤 淳〔川崎重工業(株)〕

はじめに

当社グループでは、創業後100年以上に渡り、陸海空の輸送製品群を幅広い顧客に提供する事業を展開してきた。例えば、オートバイや鉄道車両、船舶、防衛省向け製品など最終製品を顧客に直接提供する完成品ビジネスから、航空機の機体やエンジンの重要部品をOEMメーカーに部品供給するビジネスを手掛けており、運用後のメンテナンスビジネスも一部手掛けている。

本稿では、そのような事業の中で、コロナ禍後に大きく回復を見せている民間航空機に関する機体とエンジンビジネスについて、事業概要を説明したあとに水素関連技術を含む研究開発の代表例を紹介する。

航空機事業について

機体事業

当社の民間航空機事業においては、米国ボーイング社の767、777/777X、787、およびブラジル・エンブラエル社のE170/E175の分担製造を行っている。

現在の主力製品は、中・大型の機体である777/777Xと787であり、いずれも共同開発・製造のパートナーとして累計1,000機以上の部品をボーイング社に納入している。コロナ前の2019年度には、当社は777/777Xについて53機、787について167機を出荷した。その後のコロナ禍などで生産・出荷は一時的に落ち込んだものの現在は回復傾向にある。

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