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2024/6 Vol.127

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絶滅危惧科目-基盤技術維持のための再考ー

第6回 油圧・空気圧の過去・現在・未来

早川 恭弘(奈良工業高専)

油圧・空気圧を取り巻く環境

油圧・空気圧の現状

油圧・空気圧技術は、60年代において、産業のオートメーション化の一翼となり、その高機能・高生産性に多大なる貢献をなした一分野である。そして、油圧・空気圧技術は、自動化機器、航空機、建設機械に多く利用されてきたが、SDGsへの取組みから油圧・空気圧機器が電動機器に置き換わる流れが加速している。この状況に対し、近年、油圧・空気圧のメリットが見直され、新たな取組みがなされている。

油圧技術に関しては、米国Boston Dynamics社の油圧ロボットが注目されている。特に、4脚ロボットBigDog(1)、ヒューマノイドロボットAtlasなどは、耐衝撃を実現し、これまで課題であった1)重さ、2)効率、3)乱雑な配管を解消している。また、鈴森氏は、“油圧を用いたパワーソフトロボティクス”を提唱し(2)、油圧人工筋を用いて、しなやかさ、力強さ、安全性を兼ね備えたロボットの実現を目指している。さらに、玄氏は、能動関節にトルク制御を実装し、ハイパワーかつ柔軟な動作を実現する油圧ロボットを開発している(3)

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