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2024/6 Vol.127

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特集 電力供給の一端を担う原子力のさらなる発展への歩み

欧米の原子力加速と再エネ共生型BWR の役割世界の原子力発電容量3 倍増の要請に応える革新炉の提案

奈良林 直(東京工業大学)

はじめに

我が国は図1に示すように太陽光発電のパネル容量(GW)では、世界第3位にランクされており平野部での設置が限界に近いとのことから、最近はクリーンエネルギー成長戦略として、岸田首相の原子力の最大限の活用方針が閣議決定された。図2に示すように、先進国のなかで再エネによるCO2の大幅低減に成功した国は皆無で、発展途上国や中国などが脱石炭政策に対し、発展途上国の立場から経済成長を優先するとして反対している。いちばん有利なのは、水力と原子力の電源で、次いで風力発電の国が並んでいる。これから明らかなのは、設備利用率の低い太陽光発電や風力発電は、気象や地球の自転に伴う出力変動が大きく、この変動を火力発電で補おうとすると、CO2の削減は困難である(1)~(3)

図1 世界の太陽光発電設備容量ランキング

図2 世界のCO2 の排出係数ランキング

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