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2024/6 Vol.127

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特集 電力供給の一端を担う原子力のさらなる発展への歩み

「常陽」・「もんじゅ」から実証炉へ低炭素社会を実現するナトリウム冷却高速炉の社会実装に向けて

大野 修司・前田 誠一郎・若井 隆純・上田 雅司・上出 英樹〔(国研)日本原子力研究開発機構〕

はじめに

脱炭素化に向けた世界的な動きを受け、カーボンフリーエネルギーとしての原子力の再評価が進み、世界各国で新型炉や小型モジュール炉(SMR)の開発および政策的な支援が活発化している。我が国においても、今後の新型炉開発に向けた議論が進展し、高速炉開発の「戦略ロードマップ」(2022年12月原子力関係閣僚会議決定)(1)では、ナトリウム冷却高速炉(SFR)を対象として、「2030年頃までを目途に概念を固め、2050年までに実証炉が運転開始されていることが望ましい」とされ、2024年からの概念設計開始が決定された。

(国研)日本原子力研究開発機構(原子力機構)では、実験炉「常陽」および原型炉「もんじゅ」の設計・建設・運転などを通じて高速炉実用化に必要な技術・研究成果・知見を蓄積してきた。そのうえで、電気事業者などとともに高速炉サイクルの実用化に向けた研究開発を展開し、近年は国際連携も積極的に活用して、実証炉として採用可能なタンク型SFRの概念を構築するに至っている。本稿では、これら原子力機構で進めるSFRの研究開発について経緯概要と現状・トピックスを紹介する。

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