特集 電力供給の一端を担う原子力のさらなる発展への歩み
日立GE の新型炉開発への取組み
日立GEの新型炉開発の全体像
日立GEニュークリア・エナジー(日立GE)では沸騰水型軽水炉(BWR)建設経験と燃料サイクル技術を元に、4つの新型炉の開発を進めている。図1に、4つの新型炉の導入戦略を示す。直近では、安定電源によるカーボンニュートラルへの貢献が重要であり、そのニーズを満たすため、大型の革新軽水炉であるHighly Innovative ABWR(HI-ABWR)、小~中出力ニーズに対応する高経済性小型軽水炉BWRX-300を早期に実用化する。その後は、資源としてのプルトニウム活用によるエネルギー自給率向上や、使用済み燃料の有害度低減が重要になり、金属燃料液体金属冷却高速炉であるPRISM、および軽水炉と高速炉をつなぐ役目を担う軽水冷却高速炉RBWRの開発と導入を進めていく。
本稿では、これら4つの炉型について、その特長や、実用化に向けた技術開発について記載する。
図1 日立GEの新型炉導入戦略