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2024/5 Vol.127

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特集 自動車用エンジンの現在と未来

重量車用水素エンジンの実用化を目指して

伊東 明美(東京都市大学)

水素エンジンを取り巻く状況

乗用車では、二酸化炭素排出量削減のため電気自動車化が進んでいる。しかし長距離トラックや建機などでは、要求される連続稼働時間に対し搭載できる電池の量が不足すること、電池の寿命が車両に要求される寿命に対し短すぎることなどから電気自動車化が難しい。これら車両は電力インフラが整っていない地域でも使用されること、氷点下40℃を下回るような地域でも使用されることなども電気自動車化を困難とする要因となっている。重量車用の動力源として燃料電池も考えられるが、コスト削減は進んでいるものの寿命に課題を残している。

水素エンジンによりこれらの課題を解決できる可能性があるため、近年、実用化のための研究が盛んである。特に欧州では重量車向け水素エンジンの排気規制が制定されるなど、実用化に向けた意欲的な動きがみられる。

本稿では、筆者らが開発した重量車用水素エンジンを紹介し、実用化に向けての課題について述べる。

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