特集 ベンチャー企業の実際
ベンチャーを創業するとは、どういうことなのか
本特集の目的
2022年度時点で経済産業省が把握している大学発ベンチャーの数は3,782社。主力製品・サービスの関連技術分野として機械学会に関係しそうなエレクトロニクス(アンケート回答全体の6%)、ロボティクス(3%)、AI・IoT(9%)を領域とする会社数は700弱と推定できる。日本機械学会の会員数が3万人強と考えると、50〜100人に1人くらいは大学発ベンチャーに関わっているかもしれない。そう考えるとやや多めにも思えるが、大半の方はその実態を知らないだろう。
本稿は大学発ベンチャーという存在について、そのイメージを具体化することを目的としている。大学発ベンチャーとはどのようなもので、どうしたら作ることができるのか。よく耳にする「死の谷」とは何なのか。乗り越えることができるのか。あるいは研究成果の社会実装を考えた際に、本当にベンチャー化がいいのか、それとも事業会社への導出がいいのか。それらを全体観の整理とともに、個別の事例を紹介していく。
大学発ベンチャーの実際をまとめつつ、優れた研究を進めて生み出した成果を世の中の課題解決や価値創造に結びつけたい、と考える方々に向けたエールとなれば幸いと考えている。
キーワード:特集 ベンチャー企業の実際