特集 2024年問題:スマート物流のための技術革新
令和4 年度特許出願技術動向調査―スマート物流―
はじめに
近年の物流業界では、電子商取引(EC)の利用拡大に伴い、物流取扱量の急激な増加に加え、指定された日時や場所への配送などの高い物流品質が求められている。このような需要の高まりの一方で、深刻な人手不足も進んでいる現状にあり、これまで、業界の企業努力により高い物流品質を誇ってきた日本の物流業界が、今後もその品質を保っていくためには、物流に関する抜本的な効率化が必要であるといえる(1)。
このような現状を踏まえ、物流におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の一環といえるスマート物流技術を含む、次世代物流システムの市場は拡大しており、需要に応じたさらなる研究開発が求められている。
本調査では、スマート物流に関する特許出願技術動向から、国内外の技術動向、日本および外国の技術競争力の状況と今後の展望を明らかにすることを目的として、本技術に関する特許や研究開発論文などの解析を行い、今後、取り組むべき課題や方向性について提言を行っている。
なお、本調査におけるスマート物流の定義は自動化技術やITの活用を伴う物流に関する技術としている。