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2023/11 Vol.126

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学会賞受賞論文のポイント

マイクロ流体デバイスにおけるピッチングマシーン

巽 和也(京都大学)

2022年度日本機械学会賞(論文)受賞

Boxcar型電極を用いた誘電泳動整列技術による1粒子1液滴封入の高収率化

馬淵 研一,巽 和也,栗山 怜子,中部 主敬
日本機械学会論文集, 2022, 88巻, 905号, p .21-00300.
DOI: 10.1299/transjsme.21-00300

 

高い制球力でマイクロ流路に粒子・細胞を流す

近年、Lab-on-a-chip、micro-Total-Analysis-Systems、マイクロ流体デバイスと呼ばれる微細加工技術を活用した超小型分析機器の開発と実用化が進められている。これらの機器では、流路に各種センサ、分取機構、液滴封入機構、そのほか捕獲・操作・反応・刺激・抽出などの各種機能を実装することで、1細胞解析に代表されるように細胞の高速・高度解析が行われている。これにより1細胞単位という高い分解能で特性評価と診断が可能となり、機器の測定精度が飛躍的に向上し測定時間も短縮できる。一方、機械工学で運動制御が重要な基礎技術であるように、マイクロ流体デバイスでも各機能要素の高度化・高感度化に伴い、流路における粒子・細胞の位置決め・同期精度が機器の性能と信頼度を決めることになる。そのため分散した粒子・細胞を1列に整列する技術など、粒子・細胞の運動制御に関する研究と開発が行われている。

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