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2023/11 Vol.126

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やさしい制御工学

第11回 状態フィードバック制御

和田 信敬(広島大学大学院)

1 状態フィードバック制御

以下の状態方程式で表されるシステムについて考える。

\[\dot{\boldsymbol{x}} = \boldsymbol{A} \boldsymbol{x} + \boldsymbol{B} \boldsymbol{u}\] (1)

ただし、$\boldsymbol{x}$は$n$次元の状態ベクトル、$\boldsymbol{u}$は$m$次元の入力ベクトルである。ここでは、

\[\boldsymbol{u} = -\boldsymbol{K} \boldsymbol{x}\] (2)

により制御入力$\boldsymbol{u}$を算出することにする。ここで、$\boldsymbol{K}$は$m \times n$のサイズの定数行列であり、フィードバック係数行列という。また、式(2)を状態フィードバック制御という。式(2)を式(1)へ代入し、整理すると

\[\dot{\boldsymbol{x}} = (\boldsymbol{A} – \boldsymbol{BK}) \boldsymbol{x}\] (3)

が得られる。式(3)を閉ループシステムという。式(3)より、$\boldsymbol{A}-\boldsymbol{BK}$が安定行列、すなわち、行列$\boldsymbol{A}-\boldsymbol{BK}$の全ての固有値の実部が負となるように行列$\boldsymbol{K}$を選ぶことにより、全ての初期状態$\boldsymbol{x}(0)$について、状態$\boldsymbol{x}(t)$を原点へ収束させることが可能となる。

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