特集 機械状態監視資格認証事業20周年
訓練機関紹介(トライボロジー):ジャパン・アナリスト(株)
はじめに
当社は1975年、潤滑油分析および設備診断の先駆者であり、オイル分析の世界トップ会社である米国Analysts Inc.と油圧機器・油圧緩衝器の国内トップメーカーのKYB(旧カヤバ工業)との50:50の合弁会社として発足した。以来約40年間、我が国におけるオイル分析による設備診断の先駆者として技術を磨き、経験を積み重ねて多数のお客様の信頼をいただき、潤滑油の分析および摩耗診断による機械設備の保守・予防保全の分野で貢献してきた。
今後、ますます「省資源・省エネルギー・環境保全」が求められる時代を迎え、潤滑油を長持ちさせ設備故障を未然に防ぐことはさらに重要性を増しており、その分、現場のオペレーターから保全管理者までの保全に係わる人たちの責任も重くなっている。しかしながらそのような人たちが潤滑管理の基本である摩擦・摩耗・潤滑・採油方法などを知らないとなかなか成果に結びつかないことも事実である。
以前より当社は、保全に係わる人達に潤滑油の分析および機械設備の摩耗診断技術を中心に教宣活動をしてきたが、「ISO18436-4準拠 機械状態監視診断技術者(トライボロジー)資格認証制度」の発足に伴い、その意義に賛同し、第1回資格認証試験より、その訓練機関として参画してきた。
訓練の特色
当訓練機関の受講者の方々が全員合格できるよう、講師陣一同、常に講義方法に改善を加え、万全を期している。また、訓練会場が神奈川県相模原市という交通の利便性でのハンディを以下の内容で補っている。
e-ラーニングによる受講者利便性向上
e-ラーニングを活用した訓練としているため、受講者の都合に合わせた学習が可能となり、通勤時にスマホを利用して学習することができる。訓練期間中には質疑応答時間を設け、受講者からの疑問点などについて、講師による解説を行っている。
実際に分析機器を見学できる
テキストに出てくる分析機器については、ほとんどが講習会場に隣接した分析センター(図1)にあり、実際に実物(図2)を目にすることができる。
図1 講習会場に隣接する分析センター
図2 見学できる分析機器の一部
経験豊富な講師による懇切丁寧な講義
講義の中での練習問題、講義後の理解度テストなど、受講者の理解度を深めるための仕組みを整えるとともに、受講者からの質問・疑問点に関しては、納得が得られるまで経験豊富な講師陣が懇切丁寧に対応している。残念ながら本試験で不合格となった受講者の方には、格安な再受講の機会も設けており、手厚く面倒見の良い対応を心掛けている。
今後の展望
当社は、創業以来累計で5,000社以上、年間900社以上と多種多様な業界のお客様よりオイル分析を依頼されている。資格認証訓練も含めて、少しでも多くの方々に、オイル分析の重要性を理解いただき、我が国の省資源・省エネルギー・環境保全に貢献していきたいと考えている。
関根 伸一
◎ジャパン・アナリスト(株) 管理部 部長
◎専門:機械工学
キーワード:特集 機械状態監視資格認証事業20周年