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2023/11 Vol.126

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特集 機械状態監視資格認証事業20周年

訓練機関紹介(トライボロジー):トライボテックス(株)

川畑 和大〔トライボテックス(株)〕

潤滑油診断技術の普及を目指して

トライボテックス(株)の紹介

当社は、潤滑油の清浄管理を行う会社として1981年に起業し、1985年に現社名に改組し設立した。創業当初より一貫して潤滑管理による省資源・省エネルギーに役立つ技術を提供している。現在では社名に冠するとおり、トライボロジーの技術を活用した潤滑油診断サービスである「トライボ診断」をはじめとし、セミナーの開催や油分析装置の開発・製造など、潤滑管理に関するさまざまなサービスを提供している。

あらゆるジャンルにおいてサステナブルが求められる昨今、潤滑油診断技術はまさに環境問題を解決する一助となりうる技術といえる。トライボテックスでは自社が提供するサービスを通じてカーボンニュートラルを目指す社会の企業活動を支えるとともに、地球環境の維持・発展にも寄与することを目指している。

機械状態監視資格認証事業

機械状態監視診断技術者の訓練機関

当社は、機械状態監視資格認証事業(トライボロジー)の資格認証事業の準備委員会が立上げられた初期段階から参画し、認証事業内容やテキスト作成などを経て2009年の認証事業開始当初から訓練機関として毎年セミナーを実施している。訓練はカテゴリⅠおよびⅡを自社単独で開催、カテゴリⅢをジャパンアナリスト(株)と共同で開催し、これまでに550名を超える受講者へセミナーを実施している。

訓練機関としての特徴

当社では、潤滑油診断サービスを提供する際、潤滑管理や油分析を必要とする設備に対し、自社の従業員が現場を訪れ、設備の稼働状態や採油箇所など、種々の調査を実施している。本認証事業の訓練は基本的にはテキストを用いた座学であるが、受講生のほとんどが機械保全の現場経験者であり、テキストに記された内容と受講者の働く現場の実態とが必ずしも一致しているわけではなく、時にはテキストの内容と受講生の現場経験との間に齟齬が生まれることもある。しかし前述のとおり、トライボテックスの訓練セミナー講師は、多くの現場にて調査業務や機器の設置作業などの豊富な経験を積んだ講師が務めることで、座学と現場の実態との乖離について根拠をもって説明することができ、受講者に必要な知識だけではなく、それらの応用による現場での実践方法なども交え、受講者の資格取得につながる講習を実施していることが最大の特徴となる。


図1 現場作業の様子

訓練セミナーの内容

当社での訓練セミナーは、愛知県大府市での開催を基本としているが、お客様のご要望に応じ一定数以上の受講者が揃う場合には出張セミナーにも対応している。セミナーでは、テキストに記される内容以外にも、代表的な分析装置の特徴や使用方法のほか、実際の現場でのサンプリング方法などについて、動画を使用して説明を行う。

また、2019年より発生したコロナ禍に対応するため、オンライン(オンデマンド形式)でのセミナーも実施しているが、前述のとおり、座学と現場の実態との違いも含め、実際の潤滑油診断技術とはどのようなものであるかを説明するには講師・受講者双方向のコミュケーションが必要となるため、基本的には対面方式によるセミナーを実施している。

図2 訓練セミナーの様子


川畑 和大

◎トライボテックス(株) 総務部 部長

◎専門:潤滑油診断

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