学会賞受賞論文のポイント
動力損失が部品形状によって変化する原因を考える
2022年度日本機械学会賞(論文)受賞
無段変速機用チェーンの幾何モデルを用いた動力損失に関する研究
中澤 輝彦,服部 治博,樽谷 一郎,安原 伸二,井上 剛志
日本機械学会論文集, 2019, 85巻, 874号, p .19-00106.
DOI: 10.1299/transjsme.19-00106
はじめに
機械要素の研究において、性能向上を目指してさまざまな仮説をたてて試作品を作成し、性能検証する過程は、いつも“わくわく”する。一方、思いもよらない悪い結果が出た時の落胆は計り知れない。研究開発では日常的でごく当たり前の風景であるかもしれない。本稿では、自動車用無段変速機(以下、CVT)のチェーンに関する研究過程で、この日常的な“落胆”を感じつつ、やり切れない思いを持ちながらも、取り組み続けることで得られた“気付き”から、“わくわく”に繋がった内容をまとめてみた。
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