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2023/9 Vol.126

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やさしい制御工学

第9回 可制御性と可観測性

河野 佑(広島大学大学院)

1 可制御性

図9.1(a)のように、2つの質点にそれぞれアクチュエータを配置しよう。状態変数を各質点の速度$x_i(t)= v_i(t)$[m/s], $i=1,2$とすると、ニュートンの運動方程式より状態方程式はつぎのように求まる。

\[\begin{split}
&\displaystyle \dot x_1 (t) = -\frac{c_1}{m_1} x_1 (t) + \frac{1}{m_1} u_1(t) \\[2mm] & \displaystyle \dot x_2(t) = -\frac{c_2}{m_2} x_2(t) + \frac{1}{m_2} u_2(t)
\end{split}\]
(1)

ただし、$m_i$[kg]は質点$i$の質量、$c_i$[kg/(m・s)]は粘性係数を表す。まず、当たり前のことを述べておくと、2つの質点の動きは独立である。つぎに、後ほど紹介するが、各質点の速度$x_i(t)$は制御入力$u_i(t)$[N]を上手く設計すれば、指定した任意の値へと変更できる。

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