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2023/9 Vol.126

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特集 電気自動車における機械屋の役割

回生協調ブレーキシステム

増田 芳夫・渡邊 俊哉〔(株)アドヴィックス〕

はじめに

地球温暖化が環境問題として世界的に取り上げられ、政府が2050年までのカーボンニュートラル実現を宣言しており、CO2の排出量削減は必須テーマとなっている。自動車からのCO2排出量は少なくなく、対策として近年環境対応車(HEV, PHEV, BEV, FCV)が急速に拡大している。

環境対応車の燃費・電費向上において重要な役割を果たす回生協調ブレーキシステム(図1)は、回生ブレーキを利用して燃費向上を図っている。回生制動力は車速(回生モータ回転数)やバッテリ充電量などの因子により刻一刻と変動するが、摩擦制動力を合わせた制動力はユーザの制動意思を精度よく実現するものでなければならない(図2)。そのためには任意に油圧を制御することで、車速に依存して変化する回生制動力に応じて摩擦制動力を補填して減速度を一定に保つようにする回生協調制御や、ドライバー操作によって摩擦制動力を発生させないためにペダル操作と油圧制御を分離する機構が必要となる。

図1 回生協調ブレーキ構成
(CAN:Controller Area Networkの略。相互接続された機器間のデータ転送に使われる規格)

 

図2 回生協調ブレーキの振る舞い

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