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2023/7 Vol.126

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転ばぬ先の失敗学

第7回 失敗学の宗旨替え
失敗のナレッジマネジメントから、違和感起点の仮説生成へと転身

中尾 政之(東京大学大学院)

 

20年目の「失敗学」に漂った衰退の影

2020年4月からコロナ禍に突入し、筆者は自宅から毎日、オンラインで講義・会議・研究指導を行った。同様に「失敗学」も対面の“辻説法”ができなくなった。失敗学が“開宗”した2000年から20年もの間、副業の講演会は常に年当たり数十件と好調だった。でも、たちまち開店休業になり、3年後も数件と低空飛行のままである。講演記録を見直すと、コロナ禍が原因というよりも、2011年の東日本大震災の頃から「失敗学」の人気は漸減していた。筆者がショックだったのは、2020年の蟄居ちっきょ時のこと。出版社に「失敗百選の第4巻」を提案したが、第1巻からの編集担当者に「これまでの失敗学では売れない」とすげなく断られた。なぜか?

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