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2023/7 Vol.126

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特集 宇宙産業の成長と展望

三菱重工の宇宙事業への取組み~宇宙の輸送系×拠点系を中心にした三菱重工の製品紹介と今後の宇宙産業への貢献について~

辻田 大輔〔三菱重工業(株)〕

はじめに

三菱重工業(株)(以降、当社)は、日本の宇宙開発黎明期の1960年代から、ロケット開発を中心にさまざまな宇宙製品を開発に携わり、主にロケットによるユーザへの宇宙アクセス手段の提供を通じて、宇宙開発の発展に寄与してきた。そして今、半世紀以上の時を経て、宇宙開発は新たな局面を迎えようとしている。具体的には、国際宇宙ステーション(ISS)計画で培った技術、国際協力関係などのさまざまな蓄積に基づき、低軌道におけるISS退役後(=ポストISS)の商業民間宇宙ステーション、米国アルテミス計画の月周回ステーション(Gateway)および月面開発、という「拠点」を中心とした開発計画が進行している。「宇宙に行く」ではなく、「宇宙にいる」ことを前提にした活動が始まりつつある。したがって、今後の宇宙産業の発展拡大のためには、ものを運ぶ輸送系と、運んだ先で活動する拠点系を両輪にして、取り組んでいく必要がある(図1)。当社は、輸送系としてはロケットだけではなくISS物資補給機、拠点系としてはISS実験棟および実験装置の開発を行ってきている。本稿では、当社の宇宙事業への取組みとして、これら輸送系×拠点系に関する当社製品開発の道筋を示す。

図1 当社の宇宙事業と宇宙産業の関係

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