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2023/6 Vol.126

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技術ロードマップから見る2030年の社会

第6回 エンジンシステム分野

今村 宰(日本大学)・塚本 達郎(東京海洋大学)・内田 登〔(株)新エィシーイー〕・北村 高明〔(一財)日本自動車研究所〕

2016年公開ロードマップの振り返り

この記事では2016年公開ロードマップ記事の振り返りを行うが、その当時からエンジンを取り巻く環境は大きく変化した。特に脱炭素に関しては、2015年末にパリ協定が採択されたが、2018年頃から1.5℃目標が検討されるようになり、日本国内でも2020年には2050年にカーボンニュートラルを目指すことが宣言され、脱炭素化の流れは急速に進んだ。脱炭素化に関連してエンジン、内燃機関にも厳しい目が向けられてきており、例えば2016年頃から北欧を皮切りとして始まったガソリン車やディーゼル車の新車販売禁止の動きがある。特にEUでは2035年までにハイブリッド車を含めたエンジン車の新車販売を全面禁止する方針であったが、2023年になりこの方針を転換し、合成燃料で走るエンジン車の販売を認めるという揺り戻しの動きもある。このようにエンジンを取り巻く環境が大きく変化してきた中ではあるが、2016年公開のロードマップを振り返ると、内容によっては当初の予測を超えて進展しているものもある。

以下では、2016年公開のロードマップに沿って、エンジンを大きく三つのカテゴリーに分けて、それぞれのカテゴリーにおける進展について、要素技術を含めて概説する。

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