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2023/6 Vol.126

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技術ロードマップから見る2030年の社会

第6回 動力エネルギーシステム分野

中田 俊彦(東北大学)・氣駕 尚志〔(株)IHI〕・大川 富雄(電気通信大学)・浅野 等(神戸大学)

エネルギーシステムの構成変化

2013年のエネルギーフローと比較

日本のエネルギーフローの現況として2020年版を図1に示す(1)。一年間に供給された一次エネルギー総供給量(TPES:Total Primary Energy Supply)は17.4 EJ(LHVベース)となり、2016年に作成した2013年版の19.0 EJに比べると8.5 %減少した。産業、業務他、家庭、運輸の各需要部門で有効利用されたのは5.54 EJのみで、全体の55 %にあたる9.6 EJが熱として廃棄されている。日本全体の正味利用エネルギー割合(総合エネルギー効率)は32 %と、前回の33 %とほぼ同じである。これは、火力発電効率の低さと、自動車のエネルギー効率の低さが主な要因である。発電効率を1と換算する再生可能エネルギーでは、太陽光発電が0.05 EJから0.67 EJに、風力発電が0.02から0.08 EJに増加しているが、全体から見ると両者の合計は0.68 EJと一次エネルギー総供給量の3.9 %に留まっている。

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