やさしい制御工学
第5回 極、零点、安定性
1 閉ループ伝達関数の零点と極
線形時不変システムの安定性を判別する上で、図5.1の閉ループ伝達関数
\[\frac{G(s)}{1+G(s)H(s)}=\frac{a_0+a_1s+\cdots + a_ms^m}{b_0+b_1s+\cdots + b_ns^n}\] | (1) |
を用いる方法がある。伝達関数の分母にある多項式$b_0+b_1s + \cdots + b_ns^n$を特性多項式と呼び、特性多項式を零とする方程式
\[b_0+b_1s+\cdots + b_ns^n=0\] | (2) |
を特性方程式と呼ぶ。伝達関数の極は特性方程式を解くことにより導出でき、システムは全ての極が複素平面上において左半平面にある場合は安定、1つ以上の極が右半平面にある場合は不安定となる。また、重根でなく、実数部が零の虚数極や原点の極を有する不安定でないシステムは安定限界となる。さらに、閉ループ伝達関数の極配置を知ることで安定性の他に収束特性を知ることもできる。また、閉ループ伝達関数の零点は
\[a_0+a_1s+\cdots + a_ms^m=0\] | (3) |
を解くことによって得られる。
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