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2023/4 Vol.126

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やさしい制御工学

第4回 周波数応答

村松 久圭(広島大学大学院)

1 ゲイン、位相、ベクトル軌跡

線形時不変システムの入出力特性を解析する際に周波数応答が有用である。入力を$u$、出力を$y$、伝達関数を$G(s)$とするシステム

\[\mathcal{L}[y]=G(s)\mathcal{L}[u]\] (1)

へ正弦波

\[u=\sin(\omega t)\] (2)

を入力すると、その出力は$G(s)$の$s$を$j\omega$に置き換えた$G(j\omega)$を用いて

\[y=|G(j\omega)|\sin(\omega t + \angle G(j\omega))\] (3)

のように表せる。$|G(j\omega)|$および$\angle G(j\omega)$はゲインおよび位相と呼ばれ、複素数$G(j\omega)$の絶対値と偏角である。図4.1のように、ゲインは入力信号の振幅を増幅や減衰させ、位相は入力信号の位相を遅らせる、または進ませる。$G(j\omega)$およびそのゲイン$|G(j\omega)|$と位相$\angle G(j\omega)$の特性は入力信号の角周波数$\omega$に応じて変化し、これを図4.2のように複素平面上へプロットしたものをベクトル軌跡と呼ぶ。ゲイン特性と位相特性、すなわち周波数応答により伝達関数$G(s)$の入出力における振る舞いを理解することができる。

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