日本機械学会サイト

目次に戻る

2023/4 Vol.126

バックナンバー

特集 発電設備の保守点検

発電用タービン保守作業リモート化への取組み

宮 啓之〔東芝エネルギーシステムズ(株)〕

リモート化の背景

コロナ禍でリモート対応へのニーズが一気に加速

発電用タービン設備では、建設工事からその後の定期点検にかけて、現地据付調整・各種保守点検・制御装置調整・試運転などの保守作業が都度必要となる。

従来、上記の各種対応においては、専門性の高い出張員が機器供給メーカより実際に現地に赴き、必要な指導や業務を行うことが長年にわたり機器使用者である電力会社などの顧客、機器供給者であるメーカいずれの立場においても当然と考えられてきた。図1に従来の保守作業例を示す。

一方で昨今のコロナ禍において、特に国を跨る人の移動が厳しく制限される中、発電設備業界においても、出張員を現地に派遣することなく、遠隔からリモートで技術指導を行うような、保守作業のリモート化のニーズが一気に高まる状況となった。

また、カーボンニュートラルへ向けた市場動向の影響などから発電用タービン設備保守人員の減少傾向もあり、その観点からも、より少ない人数で各設備の保守点検に対応する必要性が増している。

一般にネットワークで接続された電子機器・情報などにおいては保守作業のリモート化は比較的容易に実現でき普及も進んでいる。これに対して発電用タービン設備の保守作業においてはその特性上、実際に現地現物での確認や計測・調整が必須であり、このためリモートでの対応は極めて困難と考えられてきた。

今回リモート対応のニーズが高まる中で、保守作業業務プロセスの分析や各種技術開発を進め、上記の困難さの下で発電用タービン保守作業のリモート化実現に向けた取り組みを行ってきたのでその成果についてここに紹介する。

会員ログイン

続きを読むには会員ログインが必要です。機械学会会員の方はこちらからログインしてください。

入会のご案内

パスワードをお忘れの方はこちら

キーワード: