経済で読み解く機械産業
第11回 機械産業の採算円レートはどのくらいか
為替レートは140円台をつけた。しばらくは円安傾向が続くと考えられる。採算円レートはいったいどのくらいであろうか。損益がゼロとなる採算円レートが実勢レートを下回ると加工型製造業を中心として収益はかなりの増加となる。
実勢レートと採算レートの推移
9月号で紹介した内閣府の「企業行動に関するアンケート調査」では毎年、採算円レートの調査も行われている。調査時点の2022年1月(毎年1月に調査)ではすでに円安(調査直前月のレートは113.9円)が進んでいたこともあり、採算円レートは円安によるコスト高から円安方向に進み101.5円/ドルと前年度調査に比べて1.7円の円安となった。しかし現在、為替レートは異常な円安に振れているので、採算円レートも当然のことながらコスト高を主因に円安方向に振れている(2023年1月に実施予定の2022年度調査はかなりの円安に振れると考えられる)。円安が進むと原材料価格の上昇により採算円レートは円安方向に動くが、大きく円安に振れる時は実勢レートと採算円レートの乖離幅は大きくなる。
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