日本はものづくりで勝てないのか!?
第11回 ものづくり産業の活性化策
自らチャレンジしなくなった日本
政府は需要を拡大し、企業の生産性向上と設備投資増大を期して、財政出動や量的緩和で資金を民間に投入してきた。しかし1990年以降、チャレンジ精神を高め投資意欲のある起業家を増やす施策や制度改革が遅れに遅れた結果、資金は有効に活用されず、国の債務のみが膨れ上がり現在の低迷を招いてきた。
イーロン・マスク率いるテスラは締め付け力6000トンのイタリア製大型ダイキャスト用ギガプレスをテキサス工場に10台導入し、リアーボディ部を70部品から2部品と大幅に減少させ(図1)、溶接ロボット台数も縮減した(1)。冗談ではないが模型のミニカーの製法と同じである。高強度鋼板のプレス成形に携わっていた筆者らも含めて、高度な部品作りが発達した日本では考えられない発想である。
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