やさしい流体力学
第7回 流体の基礎方程式
今回は流れを支配する支配方程式を導出する.前回は定常流を考えたが,今回はより一般的に流れは時間と共に変化する非定常流として,図7-1に示す微小な検査体積を考えよう.座標を$x$, $y$, $z$で定義し,それぞれの方向の速度を$u$,$v$,$w$とする.検査体積の各辺は$dx$, $dy$, $dz$とし,中心の座標は$x_0$, $y_0$, $z_0$とする.流体の密度は$\rho$,粘性係数は$\mu$とする.
質量及び運動量の保存から始めて,ニュートン流体かつ非圧縮性流れの連続の式及びNavier-Stokes方程式を導出しよう.Navier-Stokes方程式は$x$, $y$, $z$方向の合計3本の式から構成され,連続の式と合わせて4本の式となる.変数は速度$u$,$v$,$w$と圧力$p$であるため,変数の数と一致する.
図7-1 検査体積
7.1. 連続の式
ここでは検査体積の質量の時間変化を考える.
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