特集 withコロナにおける新たな生活様式を支える技術
アバターロボットを活用した新たな移動サービス
図1 アバターを活用した新しい移動イメージ
コロナ禍で変革した移動スタイル
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、これまで当たり前に行っていたリアルなコミュニケーションや移動が制限され、ライフスタイルは大きく変革した。人と会うハードルが上がり、職場では、対面会議からオンライン会議へ、在宅勤務をはじめとしたテレワークの普及が進んでいる。また、家庭でもネットショッピングやオンラインデリバリー、オンラインコンテンツの視聴など、オンラインサービスの利用が一般的となった。
新型コロナウイルスの流行から約2年で、ライフスタイルのデジタルシフトが加速した。
しかし、物理的な移動を伴わないデジタルは、効率的ではあるが偶発性を生みづらく、人と触れ合うことの共感や空間の価値を享受できないといった課題も見えている。また、これまで以上にリアルに移動することの意義が問われる一方で、リアルで体験することの価値についても再認識されている。
そうした中、遠隔存在ロボットをアバター(自分の分身)として活用するシーンが注目されつつある。
通信技術やVR技術などの進化に伴い、コロナ禍以前よりアバターの技術は広まりつつあったが、最近では、withコロナ時代の新しいライフスタイルに適応する技術として、市場の関心が高まっている。
新たな移動サービス「アバターイン」
avatarin(アバターイン)(株)のルーツは航空移動サービスを提供する全日本空輸(株)(ANA)である。世界中のすべての人に新しい移動手段を提供することを目指して、2020年4月に創設されたアバターサービスのスタートアップだ。
avatarin社が考えるアバターとは、社会課題解決のために考えられた遠隔存在ロボットである(図1)。
キーワード:withコロナにおける新たな生活様式を支える技術