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2022/5 Vol.125

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経済で読み解く機械産業

第5回 民間設備投資の動きに連動する産業機械受注の民需

産業機械の受注金額は変動が大きい。特に民需向けの受注の変動が大きい。産業機械は景気に敏感な機種もあるが、景気が盛り上がってから受注が動きだす大型機種が多い。そのため産業機械は景気が回復してから遅れ気味に受注が回復するので、産業機械受注の民需は民間設備投資の動きと強い連動性がある(産業機械の受注額は日本産業機械工業会「産業機械受注状況」より)。

産業機械の民需受注と民間企業設備

産業機械の受注の特性は受注から納期までが長いことで、受注から納期までの期間は平均で9カ月程度、小型機種では数カ月だが大型機械は1年以上かかる。また産業機械は大型機械が多いので受注の変動が大で、受注の計上が景気の回復に比べて遅くなる。

以上を整理すると、①受注してから完成(やがて民間設備投資に計上される)するまでにかなりの時間がかかること ②立ち上がりが遅い大型機種が多いので産業機械の受注が景気に対して遅行性があること ③大型機種が多いので受注額の月毎の変化が大きいこと となる。ここで重要なのは②の受注計上の遅れである。受注計上が遅れ気味であるため産業機械の民需の受注の計上は景気に対して遅れがちで、同じく景気に対して遅行性のあるマクロの民間設備投資の計上時点との間に差はあまりない。したがって産業機械の受注の民需の計上が民間設備投資の計上に連動する形となる。

設備投資循環と産業機械受注民需

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