やさしい流体力学
第5回 準一次元流れ
5.1 定常流中の流管
ある流れ場において図5-1に太線で示すような1本の流線を考え,この流線に沿う座標 $s$ をとる.ここでは流れが時間的に変化しない「定常流」として,座標 $s$ をとった流線の周囲を囲むような流管を考える.「流管」とは流線で囲まれた管であり,流管を横切る流れはない.この章では,座標 $s$ 上の流れに関する物理量(例えば,速度 $V$,圧力 $p$,断面積 $A$)の変化を考える.座標 $s$ における流管の断面内ではこれらの物理量は一定とする(そのように見なせる程度に流管は細いとする).このように流れに関する物理量が流線に沿う座標 $s$ のみに依存する流れを「準一次元流れ」と呼ぶ.以下では,この準一次元流れにおける質量保存およびエネルギー保存について説明する.
図5-1 流れの中にある流線と流管
5.2 質量保存則
キーワード:やさしい流体力学