日本はものづくりで勝てないのか!?
第4回 鍋島直正の思い
なぜ鍋島直正なのか
幕府の崩壊と明治維新、および太平洋戦争の敗戦は日本の運命を大きく変えた。今回の「日本の埋没」もこれらに匹敵する大きな変化と筆者は捉えている。したがって、これらの時代を生き抜いた偉人の生きざまが、今後の日本人の生き方に大変参考になる。
江戸時代後期は、成長はしないが国内は安定し、民はそこそこ暮らして行けた。その安眠を打ち砕いたのが、ペリーの来航であった。これに、敏感に反応したのが長崎の出島の管理を委託されていた佐賀藩主・鍋島直正(図1)である。彼は、隣国のアヘン戦争で日本の防衛力不足に敏感に反応し、明治維新後に続く技術革新や富国強兵の先陣を切り、“個”を確立していたエンジニア藩主であった。
図1 鍋島直正
日本の防衛に敏感に行動した佐賀藩主
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