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2022/4 Vol.125

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特集 IT技術・自動運転技術が担う交通安全

道路交通の安全対策へのETC2.0とGISの活用

関根 康史(福山大学)・山本 俊雄〔(公財)交通事故総合分析センター〕・林 祐志・大坪 裕哉〔(株)オリエンタルコンサルタンツ〕

はじめに

ETC2.0データとGIS情報

ETC2.0は、従来型のETCの機能(料金収受)に加え、渋滞回避、安全運転支援やITSスポットを通して収集される経路情報などの新たなサービスが実施できる新世代型のETCである。ETC2.0は、道路上に設置された通信アンテナとETC2.0対応車載器が、双方向通信することで交通量を観測する機能を有しており、この機能を利用することによって、ETC2.0データから通行経路の分析や自動車通行量の変動、急ブレーキの発生状況などを分析することができる(1)

また、GIS(地理情報システム:Geographic Information System)は、コンピュータ上でさまざまな地理空間情報を重ね合わせて表示するためのシステムのことであり(2)、これに交通事故の情報を連結させることで、「どのような場所にどのような事故が発生するのか?」を明らかにすることができる。

すなわち、ETC2.0データから通行量の多くなる時間帯や急ブレーキが多発する場所を特定し、GIS情報で交通事故多発地点を特定、事故の内容を分析することで、事故多発地点の周辺地域における交通環境を明らかにした上で道路の安全対策を構築していくことができる。本稿では、広島県福山市内の幹線道路(国道2号)に並行する生活道路を調査対象として実施した、ETC2.0データによる自動車通行量や急ブレーキの多発箇所の分析、およびGIS情報に交通事故データを結び付けることによって導いた生活道路に施すべき安全対策について紹介する。

ETC2.0データによる生活道路の交通環境分析

自動車通行量や急ブレーキの多発箇所の分析

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