日本はものづくりで勝てないのか!?
第3回 教育力の衰退
大学進学率および理工系への進学の少なさ
あまり知られていないが、日本の大学進学率はOECD先進国平均60%よりも低い50%前後であり、最低部類に属する。また、先進国の大学進学者のうち理工系は4割、韓国・ドイツでは6割を超えているが、日本ではわずか2割強である。日本の8割に当たる文系進学者の多くが、理数系の訓練を受けていない(1)。周知の通り欧州や中国では理系出身者が国の政治・経済を動かしている。日本の行政も、理工系のエンジニアや現場のものづくりを熟知した官僚がハンドリングしておれば、毎年「先端技術」の言葉だけを追い求め予算化する慣行も少なくなるだろう。文理に関係なく複素関数や行列、微積分、統計学、Excel活用による実計算法などは、社会に出てから定量的な思考に不可欠であり、小中高の時から数理的基礎を叩き込む必要がある。そうすれば、マスコミや政府から発信される(または秘匿される)科学技術情報を自分で分析し資料を集め直し、自分で考えることができるはずである。
専門教育の劣化と教養教育の欠如
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