日本はものづくりで勝てないのか!?
第2回 日本のものづくりの衰退
ものづくりの定義
「ものづくり」を文献(1)にしたがって、「設計の流れによって、顧客満足・企業利益・雇用確保を実現するための企業・産業・現場活動」と定義する。業態は大企業・中小零細企業のすべてを含む。例えば、自動車・電気電子機器・機械工業・鉄鋼を含む素材産業、などである。ただし、ここでは有形のものづくりを対象とし、無形のサービス業は除くこととした。ものづくりは国の支援、研究開発意欲、技術者教育と一心同体である。
コピー商品から世界一のものづくり大国へ
筆者が大学生の1960年の初頭、最も高額なアルバイトは小さな会社での製図作業であった。その会社は米国から1台だけ医療機器を購入して、これを分解後、各部品の寸法を測定させ、これを図面化して、コピー機械を作って販売していた。品質は二の次で「安かろう、悪かろう」の商品であった。
キーワード:日本はものづくりで勝てないのか!?